40〜50代になり「最近、肩こりがひどくて……急に老けた気がする」と感じていませんか?
日本の女性は一般的に50歳頃に閉経を迎えるといわれており、昨今の研究では閉経の平均年齢は52歳で、閉経前後の5年間は更年期と定義されます。
この時期はホルモンバランスの影響やストレスで、からだや心のさまざまな不調に悩む女性が多いようです。
今回は、顔のたるみにも関係する「肩こり」のインナーケアについて、一般社団法人日本サプリメント協会理事長の後藤 典子さんに教えてもらいました。
肩こりは“老化のサイン”でもある?

Photo:O-DAN
「ただの疲れ」と見過ごしがちな肩こりですが、なかには“老化のサイン”が隠れていることがあります。
とくに、更年期の女性はさまざまな原因が重なって、肩こりが慢性化しやすい時期です。
女性ホルモンの減少と血行不良
女性ホルモンであるエストロゲンは、血管を拡げたりしなやかさを保ったりする働きをもっています。
更年期に女性ホルモンが低下すると、血管が細くかたくなり、肩こりの原因のひとつである血行不良が起こりやすくなります。
更年期になってから「冷えやすくなった」「手足がむくみやすくなった」という方は、ホルモンバランスの乱れによる血行不良が原因で、肩こりが悪化しているかもしれません。
スマホ・PCによる姿勢の悪化と筋力低下
長時間のデスクワークやスマホの使用で前かがみの姿勢が習慣化していると、肩周りの筋肉が緊張しやすくなり、肩がこります。
更年期は加齢に伴い筋力が低下し、よい姿勢を保つ力が弱まることもあるため、肩周りへの負担が増えやすい傾向にあります。
肌や顔のたるみにも影響
肩こりによって血液やリンパの流れが滞ると、顔が老けて見えやすくなります。
たとえば、リンパの流れの滞りは、顔のくすみやフェイスラインのぼやけにつながります。
また、肩の筋肉がこりかたまっていると、顔の皮膚が下側に引っ張られ、顔がたるんだり疲れて見えたりする原因に。
「肩こりがひどくなってから、顔が老けてきた……」という方は、肩こりを解消することで、疲れ顔や顔のたるみが改善される可能性があります。
毎日の肩こり改善ケア3選

Photo:O-DAN
肩こりや顔のたるみの予防におすすめなのが、ストレッチと筋膜リリースです。
ストレッチは肩といっしょに首や胸も伸ばして姿勢を整えることで、肩こりの解消だけでなく、予防にも役立ちます。
1回5分ほどでできる簡単なストレッチや筋膜リリースのやり方を3つご紹介します。
壁を使った胸ひらきストレッチ
胸をひらくストレッチは、前かがみの状態でかたまった筋肉をほぐし、肩の負担を減らして姿勢を整えます。
壁に向かって立ち、右手を肩の高さで壁につける。
そのまま左側にゆっくりとからだをねじる。
胸の筋肉が伸びているのを感じながら20秒キープする。
反対側も同様に行う。
起床後や休憩中、就寝前など、1日2〜3回ほど日々のルーティンに取り入れましょう。
首周りをゆっくり回すストレッチ
首のストレッチをすると、血液やリンパの流れがよくなり、肩のだるさが和らぎます。
いすに座って背すじを伸ばす。
ゆっくりと大きく円を描くように首を回す。
左右5回ずつ行う。
肩や首のこわばりを感じたときやリラックスタイムに行うのがおすすめです。
フォームローラーで肩甲骨周りをほぐす
フォームローラーは、筋膜リリースやストレッチを効率的に行える筒状のフィットネスグッズです。
筋膜リリースで筋肉を包む筋膜をやわらかくすることで、血行をよくして、肩周りのこわばりをほぐします。
フォームローラーをからだに対して横向きに床に置き、背中をのせる。
肩甲骨のあたりにフォームローラーがくるように調整する。
腰を浮かせて、前後にゆっくり動かしながら肩周りをほぐす。
初めて使う場合は、痛気持ちいい程度を意識して、無理のない範囲で行いましょう。
フォームローラーがない場合、テニスボールのようなかためのボールでも代用可能です。
本編では、更年期の肩こりが悪化する理由や、ストレッチでの外側ケアについてご紹介しました。
▶▶肩こりで“老け見え”が進行する!? 更年期にこそ取り入れたい、漢方×インナーケアのすすめ
では、肩こりにアプローチする栄養素や、体の内側から整える漢方薬についてお伝えします。