【森永卓郎最期の「忠告」】「トランプ関税」が招く日本の「地獄」とは? なぜまた「コメ不足」?あなたを救うのは新NISAではないという事実 | NewsCafe

【森永卓郎最期の「忠告」】「トランプ関税」が招く日本の「地獄」とは? なぜまた「コメ不足」?あなたを救うのは新NISAではないという事実

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【森永卓郎最期の「忠告」】「トランプ関税」が招く日本の「地獄」とは? なぜまた「コメ不足」?あなたを救うのは新NISAではないという事実

「トランプ関税」によって、世界中が大混乱に陥っています。私たちの生活に、どのような影響を及ぼすのでしょう。また、解決法はどこにあるのでしょうか。

2025年1月に亡くなられた経済アナリスト・森永卓郎さんは、最後の著書となった『日本人「総奴隷化」計画 アナタの財布を狙う「国家の野望」1985-2029』(徳間書店)の中で、「食糧安全保障についてもグローバル調達が崩壊し、食糧危機が身近に迫っている」と警鐘を鳴らしています。

「食糧自給率が低い日本は、食品や飼料を輸入できなくなったらどうなるの?」

「唯一自給できていると思っていたお米さえ足りないって、どういうこと!?」

不安は増すばかりです。

今回は森永さんが著書で語っていた、日本の食糧危機についてご紹介します。

※この記事は『日本人「総奴隷化」計画 アナタの財布を狙う「国家の野望」1985-2029』(徳間書店)から一部を抜粋・編集してお届けします。

輸入が滞ればたちまち食料不足に。日本の食料自給率は実質たったの10%!?

私がマイクロ農業にこだわったのには理由があります。まずは自分で年金の範囲内でまかなえる生活を築いて資本の奴隷にならないというのが最優先の課題でした。

それに加えて、日本の食料自給率が極めて脃弱なことに以前から危機感を感じていました。日本の食料自給率は現在カロリーベースで38%と言われていますが、タネや肥料や飼料を輸入に頼っているため、実際は10%程度だとされています。

それだけではありません。2024年夏のコメの不作による「令和の米騒動」でわかったのは、一度コメ不足になれば、日本人の主食であったはずの白米でさえ、流通網が元に戻るまで数カ月の期間を要してしまうという現実でした。

日本は未来永劫、安定して海外から食料を輸入できるという保証はどこにもありません。世界人口の急速な増加と各地で頻発する異常気象により、いつ食糧不足が起こるかわからない時代です。ウクライナがロシアの侵略に3年も耐えられたのは、穀物の自給率が400%という高さだったからです。ところが、日本はそうなっていません。

今後、有事で食糧輸入が滞った時、日本で何が起こるかと言えば、食料の争奪戦です。現在の日本における食糧安全保障は危機に瀕しています。グローバル調達は世界情勢が緊迫している中では、決して安泰ではないことを今一度、私たちも考える時期に来ています。

輸入問題のほかに、地震などの災害も…。特に都会の食糧事情は弱すぎる!

また日本は災害列島です。今後、30年以内に南海トラフ地震が起きる可能性は80%程度。都心の直下型地震はいつ起きてもおかしくありません。震災や異常気象などにより、流通網が寸断されれば、あっという間に都心生活は食糧不足の地獄に陥ります。

東日本大震災でも都心では食料の買い占めが起こり、スーパーの棚から食料品が一斉に消えたことも記憶に新しいでしょう。いつまた同じようなことが起こりかねないのが、日本の都会の食糧事情なのです。

終戦直後の日本では、大都市では食糧不足に陥り、生活する人々はタンスから着物を出してリュックに詰めて、近郊にまで出向いて行って、農家の米や野菜と交換して飢えをしのいでいたんです。

「これからも」生きつづける人へ。森永卓郎のラストメッセージ

世界を見渡せば、もうすでに第三次世界大戦が始まっているという軍事専門家の人もいます。老いも若きもいつまで都会暮らしでいるつもりなのでしょうか。もはや、ブルシット・ジョブをやっている状況ではありません。

真剣に自分がどう生きていくか。決して新NISAは救世主にはならない。戦後に日本人を駆り立てた「成長神話」にすがった人生プランはそろそろ考え直した方がいいのではないでしょうか。

★【関連記事】では、「トランプ関税」の混乱後「生き残る方法」についてほか、森永卓郎さんのお話をご紹介しています。

>>>【森永卓郎の「予見」】「トランプ関税」クライシス!今後どうなる?どう動くべき?「オルカンかS&P500か?」より、もっと見直すべきこと

■BOOK:『日本人「総奴隷化」計画 アナタの財布を狙う「国家の野望」1985-2029』森永卓郎・著 1760円(税込み)/徳間書店

■著者略歴:森永卓郎(もりなが・たくろう)
1957年東京都生まれ。経済アナリスト。獨協大学経済学部教授。東京大学経済学部卒業後、日本専売公社(現JT)、経済企画庁、UFJ総合研究所などを経て現職。テレビ・ラジオなどのコメンテーターとしても積極的に発信。常に庶民の目線で数々の経済書を執筆し、03年『年収300万円時代を生き抜く経済学』がベストセラーに。2023年11月、ステージ4のガン告知を受けたものの、以降も精力的に執筆。2025年1月28日逝去。著書に『ザイム真理教』『書いてはいけない』『がん闘病日記』『投資依存症』(いずれも三五館シンシャ)など多数。


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