新しい出会いのシーズンです。初対面の人に自己紹介をするとき、心地よい声で相手を飽きさせないような話しをしたいものです。相手に好印象を与える、その差は、「声」です。ポイントを (一社)日本プロトコール&マナーズ協会松田玲子先生にお聞きしました。
【 気品を身につけるシンプルな教え#111 好印象な話し方編 】
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▶話す相手によって変えるべき〇〇
会話のキャッチボールは弧を描くような優しいボールを投げて
共に楽しく過ごすために、会話がキャッチボールになるのが理想です。それも、弧を描くような優しいボールを投げ合うような会話のキャッチボール。そうすれば、自分の意見や気持ちを相手へ届けられ、相手からの言葉も優しく受け取ることができます。
TPOに合わせて会話のテンポを変えることも大切
話す相手が年長者や初めてお会いするクライアントの場合は、自身のいつも話す速さよりも遅いと思うくらいの速さで話をすると良いと思います。参考になるのが、テレビのアナウンサーの話すスピードです。聞き取りやすい速さで、かつ落ち着いて聞いていられる安定感があります。
ただし、リモート会議等で終了時間が決められていたり、議題が多くあるような場合には会話をテンポよく進めることはより良いコミュニケーションのためにも必要です。
▶相手が話す気が失せるNG行動
途中で話したくても相手の話が終わってからに!意見が合わなくとも否定はNG
相手の話は腰を折らずに最後まで聞きましょう。話の途中で口を挟まれると、相手は話す気が失せるものです。話したいことが浮かんでも、相手が話終えるまで待ちましょう。
自分の考えとそぐわなくても、頭ごなしに否定しないように。相手の言葉を一旦受け止めた上で自分の考えを発言すれば、スムーズに話を展開できます。否定の言葉やネガティブワードを使わないように意識しましょう。また、自分の考えを主張しすぎたり、決めつけて話したり、抽象的過ぎると伝わらないので注意しましょう。
相手が一番心地よくなり好印象を与えるのは「聞き上手」
会話の要所要所で、相手の話を復唱しながら聞きます。相手の話す内容に共感していることが伝わり、相手の方は更に話しやすくなります。相手が安心し、喜んで話をしてくださることはまた、相手があなたに対してよい印象を持つことにもつながります。
▶声と同じくらい大事なのは…
声も大切ですが、表情も大切。そのために姿勢や振る舞いを見直して。またアイコンタクトも重要です
声も言葉も、口から出ているように思われますが、口からだけでなく、心と体、つまり自分の全体から生まれてきているものです。
特に初対面において大切なことは、その人から発せられる声はもちろん、表情もカギとなります。これは、自分の意見や気持ちを正しく伝えることにもつながっていきます。まず初めに姿勢や振舞いで相手に安心感や信頼感、好感を与えて、その次に表情でも同じように好印象を持っていただけるようになることが大切です。
また、話をする時にはアイコンタクトを意識しましょう。相手に対して、自分の顔、視線、身体を向けます。特に相手の目を見て話したり聞いたりすることで、言葉からだけでは得られない信頼感が、話す人と聞く人の双方の間に生まれてきます。アイコンタクトは会話でも大変重要ですから必ずおこないましょう。
言葉遣いや話し方など表面的なことは、意識するだけで劇的に変わります。自分が持っている一番魅力的な声を探すところから始め、相手のことを第一に考え、人から信頼を得るための声や話し方というものを身につけていきましょう。