「中学受験の塾選び」をテーマに、大手5塾に加え、それぞれの特色で生徒数を伸ばす新興2塾について、特徴や費用、カリキュラムなどを紹介する。今回は日能研について見ていこう。日能研の特徴 子供たちが自分の学びを自分でつくり、育てていくことを大切にしている。子供の成長を促す「ステージ制」が小学1年生から始まり、ステージI「出会う」知識や学び、ステージII「親しむ」未来につながる学び方、ステージIII「広げる」学び方の視点や知識、ステージIV「深める」自分の学び方や考え方、というステージごとのテーマに基づいた学びの場で、持続可能学力を育てる。そして、6年生後期は入試直前のステージVで合格力を「鍛える」。 仲間との学びの中で磨き合い、考えの違いに気づき刺激を受けたり、仲間の考えが自分の探求を促進したりする「集団対話型授業」を行っている。通塾の頻度と授業時間教室により授業曜日・授業科目・授業時間帯が異なる(以下は標準的な受講コマ数)3年生:週3コマ(国語:70分×1コマ、算数:70分×1コマ、科学者講座:70分×1コマ)4年生:週4コマ(国語:70分×1コマ、算数:70分×2コマ、社会:隔週70分×1コマ、理科:隔週70分×1コマ)5年生:週6コマ(国語:70分×2コマ、算数:70分×2コマ、社会:70分×1コマ、理科:70分×1コマ)6年生:<Aクラス>週9コマ(国語:70分×2コマ、算数:70分×3コマ、社会:70分×2コマ、理科:70分×2コマ)<Mクラス>週12コマ(国語:70分×3コマ、算数:70分×5コマ、社会:70分×2コマ、理科:70分×2コマ)入塾のおすすめ時期 子供によって違うので、「何年生からがベスト」とは一概に言えない。「学習」「今後の進路」「中学受験」について考えた段階で、日能研の教室へ気軽に相談してほしい。なお、首都圏教室の新学期は2月より開講する。入塾前の「体験授業」の有無 入塾前に体験授業を受けることができる。日能研の学びは授業から始まる。新しい知との出会い、自分の中に生まれる疑問や発見や感動と向き合う楽しさを感じ取ることのできる日能研の授業をぜひ体験してほしい。詳細は、近隣の教室へ問い合わせのこと。入塾前の「入塾テスト」の有無とその費用 4年生から6年生は、入会資格テスト(無料)を受験する。国語と算数の2教科についてのテストを行う。入塾後の「テストの実施頻度」「1クラスあたりの定員」「クラス分け」 テストは「日能研全国公開模試」と「学習力育成テスト」があり、学年によって実施頻度が異なる。「日能研全国公開模試」は4年生が年8回、5年生が年12回、6年生が年11回実施。 1クラス約25人で、クラス替えは、4・5年生は2か月に1回、6年生は毎月実施。クラス替えの際には、ひとりひとりの学びの状況を重視する。成績だけで序列化するなどの競争をあおるものではなく、その子にとってよりよい環境をスタッフ・授業担当者で考えてクラス編成を行う。年間費用首都圏教室の場合4年生(4科):約43万円5年生(4科・Wコース):約57万円6年生(4科・Wコース):約71万円※<リセマム調べ>いずれも授業料、テキスト代、教材費の合計(税込)。ただし期間講習の費用は含まない。期間講習の費用は、教室より別途知らせる。入会金2万2,000円(税込)が別途必要。授業以外のサポート 各教室で実施される各種保護者会のほか、現在中高一貫校に進学している日能研の卒業生が、後輩(3~6年生)たちに、中学校生活や受験準備などについて生の声を伝えるイベント「Nフレンズサマーフェスタ」や「志望校選定入試問題分析会」のほか、「私学のナカミを知る会」「関西地区学校説明会」「難関校保護者会」などを実施している。 安全対策については、スタッフ全員が警察官OBという防犯のプロ集団「Nセキュリティ」による通室サポートのほか、日能研の全教室で、教室入退室情報を指定のメールアドレスへリアルタイムで通知する「日能研パス・サイン」というサービスを実施している。保護者会や面談について 保護者会は2か月に1回程度実施し、学習方針や期間講習等の位置づけなど、時期に応じた情報を共有している。 面談は、5年生までは一定の期間を設けて実施しており、実施時期は教室によって異なる。6年生は春と秋に受験相談を行っている。これ以外にも、必要に応じて随時面談を実施している。保護者に求めること 日能研では、子供が自分の学びを自分でつくり、育てていくことを大切にしている。保護者にも、子供自身の想いや考えを大切にできるような関わりをお願いしている。 通塾初期は、家庭学習の教材の使い方や学習の進め方などで子供が戸惑うことが多い。その場合は、保護者から「どんな点でつまずいているのか」などの声がけをお願いしたい。そのうえで、学習方法について困りごとがあれば、遠慮なく質問してほしい。 慣れてきたら、子供が自分で試行錯誤しながら取り組み、自分に合った学び方で学習を進められるよう、できるだけ見守っていただくようお願いしている。