1月25日、アイドルグループ・日向坂46の東村芽依の卒業セレモニーが、幕張イベントホールで開催された。日向坂46の前身グループ・けやき坂46(通称・ひらがなけやき)の一期生として、2016年にデビューした東村。「猫」と自称するほどの猫キャラに加え、「5歳児」とも呼ばれる天真爛漫な言動で、グループ内外の人々に愛されてきた。また、本物の猫を思わせる身体能力の高さをいかして「SASUKE」にも挑戦するなど、日向坂46の多面的な魅力の一翼を担ったメンバーでもある。そんな彼女の卒業イベントは、バラエティブロック、ライブブロック、そして卒業セレモニーからなる、盛りだくさんの催しになった。
【写真】大好きなメンバーに囲まれて笑顔あふれるパフォーマンスを披露
最初のバラエティブロックは、グループの冠番組「日向坂で会いましょう」とコラボ。東村を慕う「東村男前軍団」小坂菜緒と仲良くなりたい「小坂の懐入り隊」山口陽世が自宅に招きたい「山口家連れ込み隊」そして「チーム無所属」の4チームに分かれて2ゲームで競った。
最初のゲームは東村の「SASUKEっぽいことがしたいねん」というリクエストに応えて企画された障害物リレー。猫耳を着けて「にゃー」しか言えないという状態で、メンバーたちは平行棒や、イチゴの被り物キャッチに挑戦した。勝利したのは、東村が率いる「東村男前軍団」だった。
続いてはホームラン対決。最多となる10本のホームランを放って優勝したのは、東村。そして総合優勝も「東村男前軍団」に決定。勝利者特典の「金の猫耳」を装着し、ソーラン節ならぬ「ソーにゃん節」をセンターステージで踊った。ファンも「ソーにゃん、ソーにゃん」と大コールを送り、会場に笑顔が溢れる時間になった。
ライブブロックの1曲目は、東村が初センターを務めた一期生曲「どうする?どうする?どうする?」。彼女の代表曲とも言える曲を、全メンバーでパフォーマンスした。続く「君に話しておきたいこと」では、間奏でメンバーたちが「にゃー」というコールを入れて歌った。
次は東村が歌ってきたユニット曲を3曲続けて披露。「Cage」を金村美玖、河田陽菜と、「ノックをするな!」を高瀬愛奈、富田鈴花、高橋未来虹、石塚瑶季と、「10秒天使」を佐々木美玲、河田陽菜、松田好花とワンコーラスずつ歌った。
ここからは、期別の楽曲に東村が参加するスペシャルパフォーマンス。まずは、東村を慕う四期生の藤嶌果歩がセンターを務める「見たことない魔物」。そして「めいちごさんをジャムにしよー!」という掛け声から、三期生曲「この夏をジャムにしよう」。続く二期生曲「世界にはThank you!が溢れている」では、最後に東村を囲んで大きなハートを作った。そして一期生と「夏色のミュール」を歌唱。この楽曲は、東村の発案で発表当時の衣装を着て踊った。
ライブブロック最後の曲は、日向坂46の4thシングル表題曲「ソンナコトナイヨ」。たびたびライブで東村がセンターを務めた楽曲で、歌唱中はファンが「めいめいー!」と大コールした。ここで本編が終了。
アンコール明けには、東村のこれまでの活動における印象的なシーンに、本人からの「泣き虫な私へ。小さな頃から体を動かすことや走ることが大好きな子どもだったね。でも、泣き虫でした。ひらがなけやきのオーディションを受けたのは、そんな自分を変えたかったから。でも、やっぱり、よく泣いちゃいました。そんな泣き虫だった自分に悩んだ時もあったけど、メンバーがいつも近くにいてくれました。みんなと一緒にいると、安心して甘えちゃう自分がいました。坂道を駆け上がるグループ活動の中で、私が自信を持てたこと。それは、ダンスを踊ること。踊っている時だけは涙を流さなかったよね。だから、私はみんなと踊る瞬間が大好きでした。泣き虫だった私へ。たくさん泣いちゃったけど、ずーっと楽しかったよね。東村芽依より」というメッセージを載せたVTRが流された。
そしてステージ上に東村が登場。たっぷりとフリルが施されたピンクのドレスに身に包んで、今度はファンを前に、「私は2016年の5月に、ひらがなけやき(けやき坂46)のオーディションに合格してから今日まで、約9年間、活動してきました。ひらがなけやきの頃は、Zeppツアーで漢字欅(欅坂46)さんの曲を、カバーして披露させてもらったり、漢字さんの妹グループとして活動できたことも貴重な時間でした」と切り出した。
さらに、 「活動の中で、楽しいことの方が多かったけど、私はすごい初期の頃から泣き虫で、たくさん泣いてばかりで、自分でも、アイドル向いてないかもって思ったりとか、しんどいときもあったんですけど、応援してくださるみなさんのおかげで、今日まで頑張ることができました。いつも優しいおひさま(日向坂46ファンの愛称)のみなさんが大好きです。ありがとうございます」と感謝を述べた。
そして、「メンバーのみんなもすごい優しくて、温かくて、本当に家族みたいな同期とか、頼もしい後輩がたくさん入ってくれて、みんなに出会えてほんとにそばにいるメンバーがみんなでよかったなって思ってます。アイドルになって、貴重な経験をたくさんさせていただきました。いつも支えてくださったスタッフのみなさん、本当にありがとうございます。今日もこうして、東村芽依の卒業セレモニーとして素敵な機会をいただけて、ほんとに感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございます。みなさんにこうして、感謝を伝えることのできる場をいただけたことが、ほんとに幸せだなと思っています」「ほんとに私は泣き虫だったんですけど、今日は笑顔で終わりたいと思います。これからも私は、笑顔で、元気で過ごしていきたいなって思いますので、みなさんも、幸せ、ニコニコで過ごせることを願ってます。これからの日向坂をとっても私も楽しみですし、わくわくです。約9年間、本当に、本当に、ありがとうございました」と万感の思いを伝えた。
ここで残る一期生の佐々木久美、佐々木美玲、高瀬愛奈が登場。東村の「ほんとに好きな曲を、一期生のみんなでやりたいと思います」という曲フリで、「⻘空が違う」をパフォーマンスした。この楽曲は欅坂46のユニット曲だが、まだけやき坂46の持ち歌が少なかった頃にライブで披露していた思い出の一曲。一期生の4人は、ピンクのひまわりを手にして歌った。
続けて、けやき坂46が初めてもらった曲「ひらがなけやき」を披露。途中から二期生も参加した。会場は東村のペンライトカラーのピンク色と、けやき坂46のグループカラーだった緑色に染まり、まるで春から新緑の季節に移るような光景になった。
短いMCを挟み、この日最後に歌った楽曲は「JOYFUL LOVE」。東村はトロッコに乗り込み、スタンド席の通路を一周しながら、ファンとゆっくり最後のコミュニケーションをした。そしてメインステージに移動し、涙をこらえながら「私はアイドルになって良かったなって思います。アイドルとして活動した9年間は、私にとって宝物です。これからも日向坂46、よろしくお願いします。今日はありがとうございました」とファンに語りかけた。
最後に、メンバーひとりひとりから東村に花が贈呈される。四期生の藤嶌果歩、三期生の山口陽世、二期生の金村美玖、そして一期生の3人からは、東村との思い出と共に感謝の言葉が伝えられた。本人もスピーチで語っていた通り、加入当初は泣き虫で、「すべての感情表現が泣くこと」と佐々木久美に言われるほど涙もろかった東村。しかし、開演前の影アナで「みんなで笑顔でいくよ!」と宣言した通り、最後まで笑顔を崩さずステージから降りた。17歳で加入した少女の9年間の成長を、ファンはしっかりと見届けた。
4月5日、6日には、横浜スタジアムでグループの周年ライブである「6回目のひな誕祭」が行われる。残る3人の一期生も既に卒業を発表しており、今、グループの姿は大きく変わりつつある。日々変化していく日向坂46とメンバーの成長を見届けたい。
※高橋未来虹の「高」ははしごだか