【「あいの里 シーズン2」プロデューサーインタビュー】史上初の出来事・藤田ニコル母の起用理由…制作陣も想定外の連続だった撮影の裏側 | NewsCafe

【「あいの里 シーズン2」プロデューサーインタビュー】史上初の出来事・藤田ニコル母の起用理由…制作陣も想定外の連続だった撮影の裏側

芸能 モデルプレス/ent/wide/show3
ギタりん、あやかん/Netflixリアリティシリーズ「あいの里 シーズン2」世界独占配信中
【モデルプレス=2024/12/19】Netflixリアリティシリーズ「あいの里 シーズン2」(Netflixにて世界独占配信中/全20話)が、12月3日に配信された第19話と最終話で完結した。シーズン1に引き続き、個性の強い住民たちが織りなす恋愛模様と、シリーズ史上初の出来事も勃発するなど波乱続きの展開にSNS上でも感想が多く寄せられている。「あいのり」シリーズに続き、同番組を手掛けているプロデュース・演出の西山仁紫(にしやま・ひとし)がモデルプレスのインタビューに応じ、シーズン2で新たに描きたかった部分や、制作陣の想定外だったという住民の行動など、撮影の裏側を赤裸々に語った。【記事内全話ネタバレあり】

【写真】藤田ニコル美人母、カップル成立相手と肩組み密着

◆「あいの里 シーズン2」

2023年の5月に配信開始され、6週連続で日本のNetflix週間TOP10入り (シリーズ) を果たした、“キラキラしない”リアルすぎる恋愛ドキュメントバラエティ「あいの里」。「35歳から60歳の男女が人生最後の恋を求めて、ラブ・ヴィレッジにある古民家で自給自足の共同生活を送る」というコンセプトの本シリーズは、これまでにない“キラキラしない”リアルすぎる恋愛ドキュメントバラエティとして話題沸騰となった。

シーズン2の初期メンバーは、藤田ニコルの母親でスポーツジムの経営者・パチゆみ(51)、乳がんステージ4を乗り越えた漫画家・たみフル(45)、食育トレーナー・せん姉(57)、秘書・あやかん(35)、元商社マン・マンハッタン(59)、元レスキューパイロット・隊長(48)、音楽教室の先生・ギタりん(52)、舞台俳優&カメラマン・ちぃ(40)、サロン経営の美容師・あきぽん(44)の9人。建築リフォーム業・マキオ(39)、専門商社経営・タナさん(52)、WEBエディター・ニノ(42)、エイジングサロン代表・アロマ(43)、ヨガ講師のみぽ(35)が合流した。

全20話で、ちぃとあきぽん、たみフルとマキオ、隊長とニノ、パチゆみとタナさんの4組のカップルが成立。幸せな報告が続いた一方、中盤ではギタりんが女性住民に暴走気味にアプローチしたことをきっかけに、“冷却期間”が必要と判断されてしばらく里を離れることになるなど、人間ドラマが描かれた。

◆「あいの里」シーズン1で描けなかったこととは

― シーズン1の反響を受け、シーズン2でこだわった点を教えてください。

西山P:シーズン1からは、基本的に場所を変えたぐらいで変わっていません。とにかく僕は人間を撮るのが好きなので、恋愛リアリティショーじゃなくてドキュメンタリーを作っているつもりで、ドキュメントバラエティということでやらせていただいているんですけれども、どうやって人間の素顔・心を撮るかということを一番大切にしています。だから番組を観るというよりは視聴体験をして欲しいと思っていて、人生体験と同じように視聴体験することによって自分の人生をちょっと考える1つの材料になれば嬉しいですね。中高年が主人公で色々な人生を歩んできた人がいて、今回SNSでも「キャラ祭り」とか「キャラが強い人ばかり」と言われています。確かに一人ひとりはマイノリティかもしれないけど、マイノリティは集まるとマジョリティになるんです。それぞれが人間の持っている普遍的な要素を当然持っているわけで、個性的すぎる人ばかりを描いているつもりはなかったです。

― シーズン1からアップデートさせたいと思った部分はありますか?

西山P:シーズン1では、50代の恋愛が描けなかったんです。ハリウッド(シーズン1住民)は50代ですけど、ハリウッドの恋愛は50代の典型ではなかったので、特に50代の女性の恋愛を描きたいということが僕の中の1つのテーマでした。今回、参加住民の応募は全部で400人近くあったんですけど、大体7割くらいが女性で、40・50代が多くて魅力的な人がたくさんいたんです。「誰も落とせない」と思って、今回はあえて(最初のメンバーの)男女比を4人と5人にして50代の2人(50’s/フィフティーズのパチゆみとせん姉)に期待を込めたんです。番組では2、3回くらいしかシーンとしては出てきてないんですけど途中まで本当にポツンと2人だけになることが多くて、当初は正直失敗したなと思ったこともありました。毎日のようにそういう状況だったので心を痛めたし、プレッシャーを感じました。

◆「あいの里 シーズン2」プロデューサーが予想外だった矢印

― 序盤の恋愛模様はどのような点が予想外でしたか?

西山P:僕は最初、マンハッタンとパチゆみがうまくいくかも?と思っていたんです。2人には国際結婚経験者という大きな共通点があるんですよね。そんな共通点はなかなかいないと思うのでそこで盛り上がると思ったし、国際結婚の難しさというテーマも描けるかなと思ったんですけど…。マンハッタンにもオーディションでどんな女性が良いか聞いたとき、「もうこの年齢なので、これから先の人生のパートナーを探したいので年相応の年齢の方を探しています」と言っていたから「あ、ぴったりじゃん」と思ったんですけど、思ったより若い女性に行ったので想定外でした(笑)。(※マンハッタンはたみフルに告白)

◆「あいの里 シーズン2」ギタりん、史上初の出来事の真相

― では、50’sの相手としてはギタりんさんも考えていましたか?

西山P:ギタりんは50代の代表ではないですから(笑)。でも我々も予想できないことが多くて、「あいの里倶楽部」という特番でも未公開映像として住民たちのオーディション映像を公開したときは、ギタりんとあやかんが「すごく普通の人じゃん」とMC陣もびっくりしていました。札幌の小さな音楽教室をコツコツやっていた真面目な人、純情で素朴で何十年貯金だけやってきた人生というところで選ばせてもらったので、オーディションではアクの強さはちょっと分からなくて、こんな展開になるとは思っていなかったです。

― 今回、ギタりんさんには冷却期間を置くという史上初の展開になりましたが、この対応を判断するまでにはどんな経緯がありましたか?

西山P:僕は「あいのり」という番組もやってきて一度もこんなことはなかったんですよ。とにかく揉めてもスタッフは一切関与しないで、「メンバーしかいない旅なんだからメンバーで解決してくれ」というのが基本で10何年もやってきましたが、今回は住民からの強い要望があって、この決断に踏み切ることになりました。

ギタりんは、今まで50年、女性にボディータッチもしたことがなかった人なんです。そういうウブな男性がみんなに「とにかくもっとガンガン行かないとアピールが足らないよ」と言われて、言われた通りにやったらちょっとぎこちないボディータッチになって女性を傷つけてしまって親友のマキオからも怒られて。お互いのために良いことはないだろうということでやむを得ずの判断でした。

◆「あいの里 シーズン2」藤田ニコル母・パチゆみを起用した理由

― パチゆみさんを起用した狙いは?

西山P:もちろんにこるんの母親ということで興味を持ったのは事実なんですけど、ちゃんと普通に応募してきたんです。最初のオンラインのオーディションではスタッフの中でも2、3人だけがそのことを知っている状況で他のスタッフには内緒にしていたけど、みんなが「面白い」と言ったんですよね。50代前半でものすごく色々な経験をしてきているから言葉1つ1つに力がある。制作側から言うと短い尺で面白いことを言ってくれる人は使いやすいし、にこるんの母親ということは関係なく、人として面白いなと思いました。

― パチゆみさん、非常に面白かったです。タナさんとの最後のカップル成立も感動しました。

西山P:僕も一番感動しました。オーディションから撮影の途中までは、肝っ玉母さん、というのが全面に出ていたので、そういった女性が恋をした途端に女の子になったのがすごく可愛くて、告白するときにあれだけ緊張するのかというのもいじらしくて感情移入しました。

― アロマさんが入られたときに、「控えている人たちもたくさんいる」といった主旨の発言もありましたが、残った住民のバランスを見て追加住民を決めていますか?

西山P:全体で2、3割多めの候補者を選ばせていただいていて、誰が帰るかということとそのときの恋愛相関図の矢印によって、「この人を選んだら一番恋愛が活性化するんじゃないか」という人を選ぶようにしています。みなさんお仕事をされているので、一人ひとり調整して準備しているのに結局参加してもらえなかったという人も何人かいて、待ってもらっている方には本当に申し訳なかったですね。

◆「あいの里 シーズン2」あやかんは「真面目で一生懸命」

― ギタりんさんとともに初回から最後まで残ったあやかんさんも、視聴者から注目を集めました。あやかんさんはオーディションではどういった印象でしたか?

西山P:あやかんは本当にとても良い子なんです。真面目で一生懸命だし、オーディションのときも秘書をやっているだけあって受け答えも普通に常識的な感じでした。ただ撮影で人が変わったというわけではなくて、たまたま何十日かの中の表情がものすごく崩れている部分を描いているので、1話から誤解されてしまったのが申し訳なかったなと思っています。

― あやかんさんの発言に共感した視聴者もたくさんいたと思います。

西山P:あそこまで切羽詰まっていて、本当に結婚相手を見つけようとあいの里に来たんだなという強い気持ちが伝わってきましたよね。ちぃと卵子凍結の話も出てきますが、30代後半以降の女性の悩みを知らない男性の方が圧倒的に多いと思うんですよね。だから背景を知らないで色々と思われちゃうのはとっても残念で、背景をしっかり見ていただきたいなと思います。アニメの部分でも描いたようにあやかんは小さい頃からコンプレックスを持ってそれを開示してくれて、同じようなコンプレックスを持っている人は世の中にたくさんいると思うので、そういう人たちが応援してくれると思っていましたし、感情移入して温かい目で応援してくれた人がたくさんいると信じたいです。

◆「あいの里 シーズン2」マイクロヤギ・さとちゃんの死について

― 里で育てていたマイクロヤギの「さとちゃん」が亡くなってしまった件については、視聴者から厳しい声も多く寄せられました。反応は覚悟していましたか?

西山P:嫌な想いをした視聴者がたくさんいると思うのでその方たちには本当に申し訳ないですし、我々としては悔やんでも悔やみきれないです。沖縄にはヤギ専門の飼育業者があってその方と獣医さんの両方にお世話になって、健康に育てる方法を聞いてそれに従ったはずだったんですけど、結果的にはああいうことになって、絶対あってはならないことが起きてしまい愕然としました。原因も番組で扱ったように琉球大学の先生に聞いたんですけど、わかりませんでした。個体差があったのかもしれません。お坊さんを呼んで供養をしたんですけど、できることはそれしか思いつかなくて、不快に思った方はいっぱいいたと思いますし、本当に申し訳なかったです。

― お話、ありがとうございました。

(modelpress編集部)

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