【モデルプレス=2024/11/10】Netflixシリーズ「さよならのつづき」(11月14日配信)でW主演を務める有村架純(31)&坂口健太郎(33)。過去に何度も共演している2人が、約5年ぶりに再びタッグを組んだ。「健ちゃんだからこそ本音を言えました」「『架純ちゃん、俺もう全然ダメかもしれない』みたいな弱音を漏らしたり…」―――2人が意識して増やした“共有する時間”。それによって有村&坂口にしか成し得ない“愛の物語”が誕生した。【写真】有村架純&坂口健太郎、キス寸前距離で色気全開◆有村架純&坂口健太郎主演「さよならのつづき」本作は日本が誇るヒューマンドラマの名手・岡田惠和が描く、完全オリジナルストーリー。事故で最愛の恋人を失った菅原さえ子を有村、その恋人に心臓を提供され命を救われた成瀬和正を坂口が演じ、北海道&ハワイの壮大な風景を舞台に、運命に翻弄される2人の美しくも切ない愛の物語が紡がれる。さらに、さえ子の恋人・中町雄介役を生田斗真、病弱な成瀬を支える妻・成瀬ミキ役を中村ゆりが務める。◆2人が演じたからこその“さえ子&成瀬”の魅力― 有村さんが演じられたからこそのさえ子の魅力、坂口さんが演じられたからこその成瀬の魅力を、1番近くで見ていたお二人の目線から教えてください。有村:坂口さんは声色が柔らかいから圧がない。成瀬さんを演じる上で、そういったまとっているものが坂口さんが演じるからこその空気感になっていました。発する声がスーッと体に馴染んでいく感じです。それがさえ子にとっては、生田さんが演じられた雄介とはまた別の柔軟剤のような存在になっていたのかなと思いました。なんというか、その人が持つ声って結構その人の性格も表しているような気がして。成瀬さんからも声から滲んでくるものをすごく感じた気がします。坂口:これはもしかしたら架純ちゃんと色々な作品を一緒にやってきたからこそわかることなのかもと思うんですが、今はさえ子の話ではあるけど、今まで僕が見てきた彼女のキャラクターもどこか架純ちゃんに通ずるものがある気がするんですよね。架純ちゃんにはちゃんと芯があって、それに柔軟性がある。さえ子には色々な側面があるけど譲れない部分もあるところなど、架純ちゃんとはまた全然違うんだけど、どこか本人の香りがするというか。それは役をやる上ではすごく大事なことだなと思っています。今回さえ子としてお芝居をする架純ちゃんに対しては、その柔軟性のある芯の強さみたいなものをよく感じていたかもしれないです。◆岡田惠和ら制作陣に伝えた意見― 岡田惠和さんはお二人の意見を取り入れてさえ子と成瀬のキャラクターを作り上げていったそうですが、具体的にどのようなやりとりをされたのでしょうか?有村:直接的なやりとりはなかったのですが、本をいただいてからプロデューサーの方と何度も打ち合わせをする時間があって、読んだ感想と「もう少しこういう心情になれるようなものがあるといいなと思いました」などと意見を伝えさせてもらって、それを一度持ち帰っていただくという感じで、ブラッシュアップしながら一緒に作らせていただきました。― さえ子にチャーミングさを加えるのは有村さんからのご提案とお伺いしました。有村:やっぱり大切な人が亡くなるという出来事もあって、暗い作品にしようと思えばできるものだと思うんです。でもそうではなくて、ちょっとした見やすさや、さえ子の持っている明るさ、みんなが「さえ子さえ子」って慕ってくれるようなキャラクター像があるといいなと思いました。元の台本を読んだときもすでにそういう印象だったんですが、それをより説得力のあるものにするにはどうしたらいいんだろうと話した記憶があります。それが彼女のさっぱりした部分や勢いで進んでしまうようなエネルギーのある感じにも反映されています。坂口:僕はどちらかというと、自分よりは周りだった。まだ台本として固まるよりも全然前に、プロデューサーの方と「例えばミキとの間に子どもがいたら」「結婚していなかったら」など色々な可能性を考えて、どこまでできてどこからできないかもうちょっと明確にした方がいいと提案しました。本当に初期段階の頃にはミキと成瀬の間にもう一つ命がある設定もあって、でもそれだとなんか難しくなるだろうし、逆にミキと結婚していない時間軸も考えたけど「2人が結婚しているからこそもうちょっと悲しくなるよね」みたいな話もさせてもらったり。さえ子と密接になっていく瞬間も「どこまでOKなんだろう」「ここから先はやっぱり行かない方がいいよね」と会話して提案させてもらいました。◆坂口健太郎、タイトル決定前に提案したアイデア明かす― 役として体現していく中で、この物語のどんなところに心を打たれましたか?有村:この物語には最初タイトルがなくて、作品の途中で決まったんです。みんなでどういうタイトルが良いか考えていたんですが、岡田さんご自身で「さよならのつづき」とつけられました。それが1番しっくりくる題名で、聞いたときに「あ、この物語はさよならのつづきを描いているんだ」とすごく納得して。坂口:僕らからも「このタイトルがいいんじゃないですか」って色々出したよね。俺、全然採用されなかった(笑)。どういうの出したんだっけな~。有村:コーヒーの赤い実の…(笑)。坂口:あ、そうそう!コーヒーの赤い実と心臓が赤いことをかけて、「『赤い実の落ちる頃』どうですか?」って。「それはないね」って言われました(笑)。有村:途中ちょっと大喜利みたいな感じになっていました(笑)。でもこの物語って、誰もが共感できるものでは決してない。そんな中ある一節では、移植されたことで自分の経験と違う記憶があることをリアルに体験されている方もいらっしゃる。事実としてあるので完全なるフィクションではないというか、そういったものにリアリティを持たせながら演じていかなければいけなかった。でもかたや成瀬さんには奥さんがいて、安直な考えではありますが、これを普通に演じてしまうと不倫の物語になってしまう。それはちょっと怖いなと思うところがありました。人ってやっぱり愛されたこと、愛したことの記憶が永遠に残り続けるので、それを純度高く持って演じきることが大切になる物語なんだろうなと感じながら、そこに「さよならのつづき」というタイトルがあったことで、より背中を押してもらった感じがあって。自分の中ではそういうことを大切にしながら、残していこうと思いました。坂口:最初に脚本を読んでプロデューサーの方とお話をしたときは、めちゃくちゃ難しいことをやろうとしているんだなと思ったんですよね。架純ちゃんも言っていたけど、やっぱりドロドロというか、湿度を持ってやろうと思ったら簡単にできちゃうものなんだけど、そこにどこか軽やかさや「これは仕方ないよね」と思ってもらう何かがないと、相手に対しての愛が伝わらないだろうし…。愛情は誰しも平等に持っているものだと思うので、僕がラブストーリーを演じるときはいつも、逆にみんな経験があるからこそめちゃくちゃ難しいって思うんです。例えば僕がすごく怖い役やサイコパス心を感じる役をやるときは、経験していないからちょっと飛ばしてやってみることもできちゃう。でもラブストーリーは100人観たらその100人が経験してきた形の愛情、愛の持ち方がきっとあるだろうから、みんながある程度の共感を持った状態で観てもらうというのはすごく難易度が高いことだなというのがいつも根本にあるんです。その中で心臓が記憶を持っていて、どこが惹かれてしまう。彼女を見たときに色々フラッシュバックしたり、成瀬もそれが何かわからない。「なんでこんなことが起きるんだろう」という繰り返しだと思うんです。そしてちょっと不調を感じていて、大丈夫だと思っていたのに「もしかしたらもう僕の時間は残り少ないのかもしれない」と感じることもある。表現することに色々なパターンがあって、色々な方向性が全て間違いではない、色々な正解があるものだと思ったので、難易度が高いなと。何が正解なんだろうなというのはいつも思っていました。でも、もしかしたらそれが魅力だったのかもしれないですよね。この作品は登場人物もそこまで多くはないし、もちろん心臓のことはドラマティックですが、大げさなことが起こるわけではなく日常が描かれている。成瀬とさえ子の空間は小さくて狭いかもしれないけど、2人の心の間ではすごく濃くて大きいことが起きていて、どのチョイスも決して間違っていないんじゃないかと思わせることが起きているだろうから。その難しさや「何を受け入れてもらえばいいんだろう」みたいなことを考えている時間は意外と楽しかったんです。だから僕はもしかしたらそういう部分で魅力を感じたのかもしれない。それから架純ちゃんと一緒だったのは、やっぱりこの難易度の高い作品をやるにはとっても心強かったです。◆有村架純「健ちゃんだからこそ本音を言えました」― 初期段階から脚本づくりに参加していくことは、お二人がこれまで活動してきた中ではあまり例がなかったことなのでしょうか?有村:そこのバランスがすごく難しいものがあるなと思っていて。あんまり踏み込みすぎても良くないと思うときもあれば、「みんなで作っているからみんなで話し合うのが1番クリーンだよね」と思うときもある。今回は制作サイドの方たちが快く受け入れてくださって、なんならNetflixさん側から「どうですか?」と聞いてくださったので、私も言いやすかったです。そういう環境にしてくださったのはすごく感謝ですし、何度も打ち合わせをして作品を作っていくことで、自分自身も同じ熱量を持って取り組むことができるからプラスでしかないのかなと思いました。ただ、それが毎回毎回どの映画や民放ドラマでもできるかというと、やっぱりそうではなくて。坂口:そうだね。有村:そういう取り組み方が全てにおいて浸透しているわけではない。でもそうやって今回のように自分もどんどん前に介入していくことで、より自分が発言したことに責任を持てるし、作品に携わっていく自覚が生まれてくるので、それはいいことだと思いました。坂口:僕もいつのまにか話すようになったなと今思い返していました。昔は与えられたものを100%やることがすごく大事だと思っていたんですけど、架純ちゃんも言った通り、今はそこに対して自分に責任が出てくる立場になってきている。見た目は自分のままその役をやるけど、内面に自分のニュアンスや考えがちょっとでも反映されると、そこにもうちょっと感情が乗ってくるというか。ただ時間はどうしても限られているのでどこまで反映できるかは難しいし、自分のやりたいことを全部やっていたら色々なところでパンクしちゃうだろうし…でもそこの塩梅がなんとなくわかるようになってきたんだろうなと思います。だから意見が言えるようになったんだろうし、2人でも撮影前に打ち合わせすることがあったよね。― お二人でのそのような話し合いは現場でもよくあったのでしょうか?有村:よく話しました。坂口:そうだね。成瀬はどこまでが成瀬でどこまでが雄介か、さえ子はどこまで雄介を求めていてどこから成瀬を求めているのかというのは、常々監督たちも含めて確認し合いました。それから意外と成瀬とさえ子の時間というのは描かれていなくて、2人で何かを成し遂げるための共有する時間を増やしました。一瞬のシーンで感じた他愛もないことをすごく色々共有していたんです。例えば段取りをやって「この動きじゃないよね」「こっちかな」と試行錯誤して、結局最終的に最初の動きに戻るときもあって。でもそれって動きは最初と一緒だけど、その間の時間で色々なことを試したからこそ、最初の動きとはまたちょっと違う。そういうことを2人ともたくさん試したからこそ、スタートラインにまた戻ったとしても別の角度から見た経験が自分の中に残る。お芝居とはちょっとずれるかもしれないんですが、チームの変なところに摩擦が生まれたりしたらよくないので、色々な共有は毎日していました。しんどいときは「めっちゃしんどくない?」みたいなことを言ったりとか(笑)。でもそれってすごく大事だと思うんです。 僕はそれを言っちゃうし、やっぱり頼ることはすごく大事なことだと思う。有村:うん。逆にほかの共演する方にそんなストレートに「しんどくない?」とか「疲れてるね」とはあんまり言えない。健ちゃんだからこそ本音を言えました。坂口:「架純ちゃん、俺もう全然ダメかもしれない」みたいな弱音を漏らしたり(笑)。もちろん現場にそれは持ち込まないですが、この共通認識があると…有村:「一緒に頑張ろう」って。坂口:うん。「頑張ろう」って感じになりました。★インタビュー後編では、今回の撮影中に知った互いの新たな一面や悲しみを乗り越えた方法などを語ってくれた。(modelpress編集部)◆有村架純(ありむら・かすみ)プロフィール1993年2月13日生まれ、兵庫県出身。2010年「ハガネの女」(テレビ朝日系)でドラマ初出演。近年の出演作にドラマ「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」(TBS系/2022)「海のはじまり」(フジテレビ系/2024)、NHK大河ドラマ「どうする家康」(2023)、映画「月の満ち欠け」(2022)「ちひろさん」(Netflix/2023)「ディア・ファミリー」(2024)など。2025年に出演映画「花まんま」「ブラック・ショーマン」が公開予定。◆坂口健太郎(さかぐち・けんたろう)プロフィール1991年7月11日生まれ、東京都出身。2014年、俳優デビュー。近年の出演作に、映画「余命10年」(2022)「サイド バイ サイド 隣にいる人」(2023)、NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」(2021)、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」(2022)、ドラマ「Dr.チョコレート」(日本テレビ系/2023)「CODE-願いの代償-」(日本テレビ系/2023)、韓国ドラマ「愛のあとにくるもの」(日本ではPrime Video独占配信)など。【Not Sponsored 記事】
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