東京大学の学費値上げ、学生団体が抗議声明…反発強める | NewsCafe

東京大学の学費値上げ、学生団体が抗議声明…反発強める

子育て・教育 リセマム/教育・受験/大学生
東大学費値上げ反対緊急アクション
  • 東大学費値上げ反対緊急アクション
  • 抗議声明(一部)
 東京大学が発表した授業料の値上げ案に対し、学生団体「東大学費値上げ反対緊急アクション」は2024年9月11日、抗議声明を出した。議論が十分とは言えない状況で「学生を置き去りにした学費値上げ案」が拙速に決定されようとしているとして、反発を強めている。

 東京大学は9月10日、授業料改定案と学生支援の拡充案を発表。授業料について、国立大学の標準額と同額の53万5,800円から2割値上げし、10万7,160円増の年額64万2,960円とする方針を明らかにした。

 これに対し、学生団体「東大学費値上げ反対緊急アクション」は9月11日、抗議声明を発表。「学費は低廉であるべき」「学費値上げ案は無償教育の漸進的導入に逆行するもの」と指摘したうえで、「国立大学は政府と協力して、すべての者に高等教育を受ける権利を保障するよう努めるべきであるにもかかわらず、自らこの規定を破ろうとしている。教育機関の根拠となる重要な原則に反することは、高等教育機関として極めて不誠実であり、学問の府としてあるまじき態度」と強く非難している。

 東京大学が値上げ案とあわせて公表した学生支援の拡充案についても「十分な解決策にはなりえないと考えられる」「単に授業料減免制度を設けるだけでは教育の機会均等を保障するには不十分」と懸念を表明。学費値上げによる増収分の使途、学内の合意形成プロセスにも疑問を呈し、大学執行部に対して「結論ありきのスケジュール」の見直しを求めている。

 抗議声明では、今回の学費値上げを含め、「教育を受ける権利」に関するすべての問題が、運営費交付金の削減に代表される公的支出の削減政策によって引き起こされたとして、「最終的には教育無償化を目指すべき」と訴えている。
《奥山直美》

特集

page top