【モデルプレス=2024/01/18】俳優の綾野剛が18日、都内で開催された映画『カラオケ行こ!』(公開中)公開記念イベントに、共演の齋藤潤、やべきょうすけ、吉永秀平、チャンス大城、メガホンをとった山下敦弘監督とともに出席。話題の「紅」歌唱について語った。【写真】まさかのカラオケ店に登場した綾野剛◆綾野剛、カラオケ店に登場 公開後の反響明かす和山やまの人気マンガを映画化した本作は、合唱部部長の岡聡実(齋藤)が、絶対に歌がうまくならなければならないヤクザ・成田狂児(綾野)に歌の指導を頼まれるという奇抜な設定と、予想に反するエモい展開を描く。カラオケが題材ということで、イベントは都内のカラオケ店で開催された。綾野は「わざわざお越しいただきありがとうございます。感謝しております。まさか本当にカラオケ店で(笑)。この映画ならではの会と言いましょうか。また違った感覚で、すごく僕自身も楽しんでおります」と笑顔。公開後の反響については「公開される前から、楽しみにしてくださっている方が多いというお話もうかがっておりましたし。公開されてからなおさら、映画ならではの、カラオケ行こ!っていうムードが、きちんと届いているのかなと思うと、温かいな、温かくしてもらえてすごく嬉しいなって思いがありますね」と明かし「僕のマネージャーが、観た後に『紅』をどうしても聴きたくなる、『紅』を歌いたくなるっていう、そういう思いがあるそうですね」と話していた。◆綾野剛、齋藤潤との共演回顧「噛み合ってはいけないことがベースにあった」齋藤との共演について、綾野は「リハーサルからずっと一緒に時間を共にしていて。作品の中では、ヤクザと中学生なので噛み合ってはいけないっていうことがベースにあって。漫画では、いわゆる聡実くんの心の声が、その噛み合ってなさを治癒しているというか、成立させているんですけど、映画なので心の声っていうものも、ストイックに使わずに」とコメント。「あくまで芝居と空間の間だけでっていうところに、山下さんの思いがありましたので。野木さんの台本もそうなっていましたから。噛み合っていない後に、お互いカットがかかった後、とても不安じゃないですか。だからそういう時は、なるべく近くにいましたよね。お互い(笑)」「大丈夫。みんなで作っているから。一緒にみんなで船を漕いでいるから、一人じゃないよっていうのを、一緒に作っていましたね」と回想した。そういった気遣いが心強かったと感謝した齋藤について、綾野は「この作品にしか残せないものって、きっとあって。撮影当時は15歳で、岡聡実っていう役と全く同じ境遇で、変声期も迎えていて。その一瞬を切り取る作業っていうものを、キャストもスタッフもみんなが、岡聡実と齋藤潤くんの魅力を一縷たりとも見逃さないように、必ず最後まで駆け抜けようっていう思いが集結した現場だったんですよね」と振り返っていた。◆綾野剛「紅」への思い語るその後、劇中で歌唱するシーンに対するこだわりを問われた綾野は「『紅』のことしか考えていなかったという(笑)。『紅』に対する圧倒的な愛と、ある種の情念みたいなものですね。あと敬意。狂児が考える全ての礼節が『紅』にたぶん込め(られ)ているというか…好きなんでしょうね。とっても(笑)」と返答。「だからこの曲は合ってないよと言われていても、結局『紅』をチョイスしていくというか。僕自身も『紅』という楽曲が持つパワーみたいなものや、初めて聞いた時の衝撃って未だに覚えていて…。狂児にとっては赤信号も紅色。全ての赤が赤じゃなく紅に見えるっていうか。そういったムードでやっていましたから(笑)。ごめんなさい。なんか変な空気になっちゃいましたね(笑)。他の楽曲っていうのは、ある種の情念がなくフラットなので、感情で歌っているわけじゃないからこそ、技術で歌えるんだと思うんですよね」「感情で歌っているかそうではないかっていう大きい違いがあって」と語った。歌唱の練習については「恥ずかしいですね(笑)。でも、練習で辿り着けるところって限界があるので。『紅』を聞き続けるっていうのはベースでありますけど、何が好きなのかとか、狂児はどういうことでこの『紅』っていうものにシンパシーを感じたのかみたいなものを、日々聞きながら感じていくっていう作業でしたね。常にその状態でいましたね」と述懐。「彼は『紅』っていう曲に関してだけは、全編裏声で歌っていますけど、たぶん本人も裏声で歌っていることに気づいていないと思うんですよね。また変な空気になるんですけど(笑)。役作りの話って特殊なので。ただ好きで、好きという愛情ですね。かなり偏った愛ですけど。圧倒的な片思いなので」と役作りを振り返っていた。この日はやべ、吉永、大城が、劇中で歌う楽曲の一部を生歌唱する一幕も。最後に改めてマイクを握った綾野は「青春の一言ではなかなか表現しきれない、作品の中にあるいろんなテーマがあるんですけども、そういうものも全て包み込んで、たおやかに温かく優しい作品が、こういう形で生まれてくるとは、とても想像していなくて」とコメント。「聡実くんとの時間の中で、常に鬼気迫るような緊張感の中で撮影しておりましたから。できあがったものを見たときに、岡聡実=齋藤潤っていう、たった一人を見つめていく作品って、映画の本来あるべき姿なのかなと改めて思っています。その一人をどう輝かせるかっていうことを考えたキャストの皆さん・スタッフの皆さんに、改めてリスペクトとともに感謝申し上げます」と思いを語った。その後、齋藤が本作をまた映画館で見たいと語ると、綾野は「一緒に行きましょうか」と白い歯を見せていた。(modelpress編集部)【Not Sponsored 記事】