【モデルプレス=2023/10/31】11月10日に公開される映画『法廷遊戯』で主演を務めるKing & Princeの永瀬廉(ながせ・れん/24)と、共演する女優の杉咲花(すぎさき・はな/26)。今回初共演ながらも「2人だけの世界がある特別な存在」を演じた2人が、その関係性を体現するために大切にしたこととは?互いに緊張したという印象的なシーンを含め、たっぷりと語ってもらった。<インタビュー前編>【写真】「法廷遊戯」永瀬廉&杉咲花が密着ハグ◆永瀬廉主演「法廷遊戯」本作は、原作者・五十嵐律人が現役司法修習生時代に刊行した本格法廷ミステリー小説『法廷遊戯』の映画化。『神様のカルテ』『白夜行』の深川栄洋氏が監督を務め、脚本を『総理の夫』『流星ワゴン』の松田沙也氏が手掛ける。ロースクールに通い、法曹の道を目指す主人公の「セイギ」こと久我清義(きよよし)役を永瀬、セイギの幼馴染で同じく法律を学ぶ織本美鈴(みれい)役を杉咲、「無辜(むこ)ゲーム」と呼ばれる模擬裁判を司る天才・結城馨役を北村匠海が演じる。裁判ゲームで実際に起こった殺人事件をきっかけに、3人の仮面の裏に隠された真実が暴かれてゆくノンストップ・トライアングル・ミステリーとなっている。◆永瀬廉&杉咲花“シンパシー感じ合う2人”演じる― まず、オファーを受けた時のお気持ちをお聞かせください。永瀬:最初はこの作品で演じるというよりも、花ちゃんと匠海くん、そして深川監督という素晴らしい方々の中で、僕が主演という立場でやらせてもらえるという方の驚きが強かったです。杉咲:私もこの座組みに携わらせてもらえることが楽しみでした。― 台本を読んで、ご自身が演じる役について率直にどのような人物だと思いましたか?永瀬:昔から正義感と太い芯のある人物だと思いました。普通は真相に近づくにつれて自分が今すべきことに迷ったり、悩んだり、苦しい状況もあると思いますが、清義は美鈴と犯した過去の過ち、馨との出会いと展開していき、最後に美鈴のためにも、馨のためにも、2人を救うような決断をするので、自分の正義を最後まで貫いた芯のあるキャラクターだと思いました。杉咲:美鈴は“信じる”ことに対してとても一途で、ある意味筋の通った人だと感じました。共感できなくても理解はできるなと。清義の存在が美鈴の言動の軸になっているのかなと思いました。美玲の行動は奇抜なものに見えるかもしれませんが、あくまで本人の中では一途な願いのようなものだけで動いていると思うので、その純粋さを自分の中で大事にできるかが課題でした。― 2人の関係性にどんな印象を持ちましたか?永瀬:美鈴とは、幼い頃に大人の汚れた部分を目の当たりにして、そこから2人で生きていこうという、2人だけの世界がある特別な存在なのだと思いました。杉咲:ある決定的な出来事を境に、美鈴の中では清義の存在が原動力の全てになっていくのですが、永瀬くん演じる清義の佇まいを現場で見ていると、ものすごく勇ましく見える瞬間と、とても儚く感じる瞬間があって、そのバランスが魅力的で。美鈴はそんなところにシンパシーを感じていたのではないかなって。お互いにとってなにか引力を感じてしまうような存在だったのではないかと思います。◆杉咲花、永瀬廉演じる清義を見て「きっとこの現場は大丈夫」― 正義と美鈴の関係性や距離感を作る上で大事にしたことがあれば、教えてください。永瀬:本番やテストの中でお互いに距離感を探りつつ、監督とも話しつつ作り上げていきました。お互いが自然に距離を置くシーンもありましたが、裏では基本普通に喋っていました(笑)。ただ、清義は過去の出来事からなかなか人を信用することが難しくなっていて、自分が心を開いたごく数人にしか出さない雰囲気があると思っています。監督からも大きな指示はなかったので、ありのまま演じさせてもらいました。― 杉咲さんが美鈴の「清義の存在が原動力の全て」という部分を体現するためにしたことは?杉咲:事前に準備したことはあまりなくて、清義と対面してから美鈴の物語が始まる気がしていたので、現場に行くのを楽しみにしていました。初めて永瀬くん演じる清義と目を合わせた時に、美鈴の感覚に近づけた気がして、それだけを信じていればきっとこの現場は大丈夫だと思いました。◆永瀬廉&杉咲花の緊張したシーン「怖かった」― 清義と美鈴はお互いが近いものを感じながら引き寄せ合っていた関係ということでしたが、初共演でその関係を演じた心境を教えていただきたいです。特に面会室で清義と美鈴が向き合うシーンは圧巻でした。永瀬:本当に緊張感すごかった!面会のシーンは全て重かったから、より敏感に感じていたのかもしれないです。杉咲:すごかったね。私も、すごく緊張していました(笑)。永瀬:そうなの?!していないように見えた…震えたもん。杉咲:いやいや。お互いに何かを感じ取り合う時間だったので、集中力の糸を切らしたら崩れてしまいそうだな、という緊張感があって。怖かったですね。― すごく集中力を使うシーンで、終わった後は達成感がありそうですね。永瀬:もちろん終わったことへのホッとした感じはありつつも、しばらくはそのシーンの余韻に浸る時間がありました。あのシーンは監督も含め、かなり手応えを感じていた部分なのかなと思いますね。― 杉咲さんのお芝居を目の当たりにしてみて、いかがでしたか。永瀬:清義はある決断をしたけど、美鈴の知らなかった部分を初めて見たことにも驚きがあって、その決めた芯がブレそうになるくらい逃げ出したくなったのを覚えていますね。それくらい美鈴と清義の関係性は深いところにまであるのだと思いました。― 杉咲さんも演じきったお気持ちを教えてほしいです。杉咲:とにかく感じたものをこぼれ落とさないように反応して、届けていかなければならないシーンだったので、緊張していました。無事に終わってよかったと安堵しましたし、撮影の終わりが見えてきた頃から、それぞれ別の控え室にいたのが、同じ空間に集まって喋るようになっていて。なんとか共に到達すべきところへはいけたのかなと、ほっとしました。◆永瀬廉&杉咲花、作品の魅力・面白さ語る「伝わればいいな」― そんなお2人が思う作品の魅力はどのように感じていますか?永瀬:内容的にも重く、低い温度感のまま展開していきますが、その中でも美鈴のちょっとした言動に清義が頬を緩ますシーンや学校生活のシーンなど、温かい雰囲気の場面がいい塩梅で挟まっています。余白も残しつつ、押し付けるのでなく、観てくれている人に考えていただける。主題歌も優しく包み込んでくれるような、救いがちゃんとある作品です。僕らが感じていた現場でのちょっとしたヒリヒリ感も観てくださる方々にも伝わればいいなと思います。杉咲:登場人物が何かを話していても、腹の底では違うことを思っているのではないか、笑っているけれど、本当は泣きたいのではないか、と感じさせられるようなアンビバレントさがずっとどこかにある作品だなと思っていて、そこがすごく面白いところだなと感じています。◆永瀬廉&杉咲花「法廷遊戯」で経験したこと― 印象に残った刺激的な撮影もあったようですが、本作で新たに経験できたことがあれば教えてください。永瀬:弁護士を演じるにあたって初めて裁判の傍聴にも行って、実際どういう空気感なのか見させてもらったのですが、この作品がなかったら僕は裁判の傍聴に行くこともなかったので、“永瀬廉”としての経験値も上げてくれた作品です。各々が違う正義というものを持っているなか、それを突き通すことの難しさを感じたとともに、押し付けないことも大事だと思ったので、僕自身の考えを改める経験にもなりました。杉咲:深川さんの演出が現場を動かして、予想もできなかったような場所に辿り着いているようなことが何度もあったので、突然のリクエストに対して緊張を抱きながら、みんなが同じ場所に向かっていくことで、その瞬間でしか起こりえないような刹那的なものが生まれていったように思います。そんな時間を通して、安心していたらだめだなという、なにか張り詰めたものが日々生まれていくことも刺激的でしたし、あまりできないような経験をさせてもらった気がします。― この作品の出演にあたって事前にお2人が監督と何かお話されたことはありましたか?永瀬:「ちょっと変わったオーダーはするかもしれないけど、よろしくね」と言われたのを覚えています。「変わったオーダー」として、「息遣いをもっと入れて」と言われたシーンは4~5回ありました。それによって清義が感じたものが、よりリアルに生で感じてもらえるようになったのかなと思います。杉咲:最初は衣装やメイクなど役の顔になるような部分から作り上げていきましたが、撮影が始まってからは想像の斜め上をいく演出を受けることが多く、台本に書いてあることからはまた少し離れた表現をトライし続けるような日々でした。★同世代俳優として受けた刺激、仲良しぶりが伝わる撮影裏話、差し入れエピソードなどを語ったインタビュー後編も公開予定。(modelpress編集部)◆永瀬廉(ながせ・れん)プロフィール1999年1月23日、東京都出身。2011年4月にジャニーズ事務所に入所し、2018年5月にCDデビュー。整ったルックス・抜群のスタイルで人気を博しているほか、俳優としても頭角を現し、2019年、映画『うちの執事が言うことには』で映画初主演を務め、2020年に主演を務めた映画『弱虫ペダル』で第44回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。2021年5月『おかえりモネ』にてNHK連続テレビ小説初出演を果たし、2022年はドラマ『わげもん〜長崎通訳異聞〜』(NHK)、『新・信長公記〜クラスメイトは戦国武将〜』(読売テレビ・日本テレビ)で主演、2023年は『夕暮れに、手をつなぐ』『ラストマン-全盲の捜査官-』(ともにTBS)に出演した。◆杉咲花(すぎさき・はな)プロフィール1997年10月2日、東京都出身。2016年に公開された映画『湯を沸かすほどの熱い愛』では『第40回 日本アカデミー賞』『第41回 報知映画賞』『第59回 ブルーリボン賞』助演女優賞をそれぞれ受賞。NHK2020年度後期連続テレビ小説『おちょやん』ではヒロインを務めた。そのほか、近年の主な出演作は、大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺~』(NHK/2019年)、主演ドラマ『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』(日本テレビ/2021年)、『プリズム』(NHK総合)、映画『青くて痛くて脆い』(2020年)、『大名倒産』(2023年)など。待機作として『市子』(2023年12月8日公開予定)、『52ヘルツのクジラたち』(2024年3月公開予定)が控えている。【Not Sponsored 記事】