【モデルプレス=2023/07/14】女優の松本まりかが14日、都内で行われた映画「アイスクリームフィーバー」初日舞台挨拶に、主演の吉岡里帆、共演の詩羽(水曜日のカンパネラ)、メガホンをとった千原徹也監督とともに登壇。大粒の涙を流しながら訴えかける場面があった。【写真】号泣する松本まりか千原監督が「映画制作をデザインする」と題し、長年の夢だった「映画を作ること」をアートディレクターの視点から構築し、従来の映画製作のやり方にとらわれない手法で挑んだ本作。原案は、川上未映子の短編集「愛の夢とか」(講談社文庫)内収録の「アイスクリーム熱」。国内外問わず圧倒的共感と文学的評価を得る川上未映子の小説、初の映画化作品となる。美大を卒業してデザイン会社に就職するも上手くいかず、今はアイスクリーム店のバイト長として日々を送る常田菜摘(吉岡)。ある日、店にやってきた作家・橋本佐保(モトーラ世理奈)に運命的なものを感じ、佐保の存在が頭から離れなくなっていく。一方、バイト仲間で後輩の桑島貴子(詩羽)は、変わりゆく菜摘をどこか複雑な想いで見つめていて…。アイスクリーム店のご近所さんの高嶋優(松本)は、疎遠になっていた姉の高嶋愛(安達祐実)の娘・美和(南琴奈)が、何年も前に出ていった父親を捜すため、突然訪問してきて戸惑っていた。いきなり始まった共同生活。優の内心を占める不安は、それだけではなかった…。熱(フィーバー)に似た心を捉えて離さない衝動。それぞれの色を纏った4人の想いは交錯し、切なくも確かに疾走していく――。◆松本まりか、号泣で思い溢れさせる観客に向けてメッセージを求められる場面で、松本が言いたいことがうまく言えずに考えを整理していると、MCは「1回吉岡さんにパスしますか?」と挨拶順の変更を提案。松本が「いやっ、里帆ちゃんは最後のほうがいいと思うな」と言うと、吉岡は「いやいや、そんなことない(笑)。私は後ろから2番目くらいがちょうどいいタイプなので」と謙遜した。そして、松本は「若者たちの中でいろいろあるじゃないですか…。自分たちをどう表現したらいいかということがわからなくて、一生懸命自分たちを表現するんだけど、それが上手くいかなかったり、批判されたり、そういう世の中になっていて…」と大粒の涙を流しながら話し、「でも、この映画では自分がどんな趣味趣向だったり、どんなファッションだったり、どんだけ平凡でも奇抜でも、それを認めてくれるような映画だと思うんです。個性というものをもっと認め合えばいいじゃないかって思うんです。いろいろあるけれども、この映画を見て自分の持っている“個”というものをもっともっと出していいんだということを、それに負けないでほしいし、すごく個性的な人がたくさん出ているので、みんなが認め合えるような世の中になったらいいなっていう風に思いました」と熱く語り、観客から拍手を浴びた。◆吉岡里帆、夢叶える最後に、吉岡は「今の個性のお話を受け取るのであれば、私が演じているキャラクターだと自分は仕事を辞めたら何も残らないという諦めみたいなものを感じたところから物語が始まっていくんですけど、自分は何もないんだと思ったときに現れた1人の人に人生を救われるというストーリーが私は本当に好きなんです。1人じゃなかなか立ち向かえないことも、誰かとの出会いで乗り越えられたりすることもあるという、そんな大きな愛の話でもあります」と言葉に。続けて「個人的な思いとしては、私は何年か前に(主題歌を担当した)吉澤嘉代子さんと出会って、『ものがたりは今日はじまるの』というタイトルのミュージックビデオに出させてもらったんですけど、まさにあの日、物語が始まって、『最初に自分が出演した作品でかよちゃんが曲を書いてくれるような夢が叶ったらいいね』って話していたのが、やっとそんな日を今日迎えて、長い時間かけて夢が叶ったりすることもあるという。捨てたもんじゃないぞっていうことを私はこの仕事から感じた部分がたくさんあったので、見てくださるみなさまの感性に委ねて、楽しんでいただけたらなと思っております」とアピールした。(modelpress編集部)【Not Sponsored 記事】