【第二十七回:編集後記~Newsスナック】日本の公式服装にもの申す! | NewsCafe

【第二十七回:編集後記~Newsスナック】日本の公式服装にもの申す!

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いよいよロンドン五輪が始まった。

皆さん、開会式はご覧になっただろうか?
開催国であるイギリスらしさが演出に多数取り入れられた楽しい開会式であった。

中でもエリザベス女王の登場の場面は本当に素晴らしかった。
バッキンガム宮殿からエリザベス女王が映画「007」のジェームズ・ボンドに扮するダニエル・クレイグにエスコートされ、ヘリコプターに乗り込み飛び立つ映像から会場に実際のヘリコプターが登場。
2つの人影がヘリコプターから会場にスカイダイビングし、映像と同じ服装のエリザベス女王が貴賓席に登場されるというサプライズ演出である。
※もちろん実際にスカイダイビングをしたのはスタントマンである。

会場は割れんばかりの拍手喝采であった。

エリザベス女王、そしてイギリス王室が全面協力したユーモア溢れる粋な演出に、イギリスが国を挙げてロンドン五輪を、自国の文化のアピールの場としても成功させたようという強い意気込みを感じた。

自国の文化アピールは「007」だけではない。

ロンドン交響楽団に「Mr.ビーン」を演じるローワン・アトキンソンが交じり、「ハリー・ポッター」の作者J・K・ローリングの朗読があり、「ピーターパン」「不思議の国のアリス」などイギリスが生んだ著名なキャラクターが次々登場。

そしてクライマックスにはポール・マッカートニーが、ビートルズの「ヘイ・ジュード」を熱唱である。
まさにイギリスのエンターテインメントとポップカルチャーの見本市のような開会式であり、「世界にイギリスをアピールする場としての五輪」の開会式として、大成功だったのではないだろうか。



そんななか、個人的な感想なのだが、日本選手団の開会式で着ていた赤色のジャケットの公式服装はあまりにダサ過ぎやしないかと感じた。
五輪委員会の公式HPによると、あの公式服装のテーマは「5つの和・輪・環・ワッ!・わ」であり、その意味はそれぞれ以下の通り。

■和…平和の和 日本の和
■輪…五輪の輪 メダルの輪 勝利の月桂樹の輪
■環…環境の輪
■ワッ…感動と歓びの「ワッ!!」
■わ…日本の元気・底力の波動が世界へ「わ」のように広がる

そもそもこのテーマもどうかと思うが、その上、あの服装からテーマが何一つ伝わってこない。

正直「スターどっきり(秘)報告」で、小野ヤスシさんが着ていたヤツかと思ってしまった。
素材はメイド・イン・ジャパンにこだわり、最新技術を取り入れた高い機能性素材を使用している…とのことである。

こちらの服を着て競技をするワケでもなく、式典中のごく短い時間しか着ないのだから、機能などにこだわるよりは、世界の人たちがパッと見て「日本だ」とわかり、「日本ってカッコイイ」と感じるデザインにこだわるべきではないだろうか。

デザインは高島屋だそうだが、どうしてデザイナーやアパレルの企業でなく、百貨店にデザインを依頼したのかも、理解に苦しむ。
「クール・ジャパン」を本気で世界に売り込みたいのであるならば、その絶好の場である五輪をもっと有効に活用しなくてはならないと思うのだが、いかがだろう。

開会式の服に関しては次回、リオデジャネイロオリンピックにはやくも期待したい。

[編集後記~Newsスナック/NewsCafe編集長 長江勝尚]
《NewsCafeコラム》
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