2010年も残りわずかとなった。忘年会シーズン真っ只中、居酒屋でお酒を片手に、良いことも悪いことも様々あった1年を振り返る──。そんな、気の許せる仲間との楽しい時間で、ついつい飲みすぎてしまったのだろうか、この時期の街中ではユニークな酔っ払いをよく見かける。今日は、先日私が出くわしたユニークな酔っ払いさんを一人ご紹介しよう。
とある休日、私は友人と夕食を食べた後、JR山手線に乗り込んだ。すると、どこからともなく「ギロギロギロ…ギロギロギロ…」とカエルの鳴き声が。初めは、誰かの携帯の着信音かと思い、友人とクスリと笑ったのだが……どうもおかしい。一定のリズムを刻むそのカエルの鳴き声は、いつまで経っても止まないのだ。周りの人々も同じく気になるようで、辺りを見回している。ふと、何人かの視線の先を辿ってみると…そこには、コンビニのビニール袋を手に、目を閉じて座っている一人の男性が。どうやらカエルの鳴き声の発信源は彼のようだ。この流れで、「コンビニ袋の中にカエルが?」と思った人もいるだろう。しかし、そうではなかった。目を閉じて座るその男性の口元をよく見ると、なにやらモゴモゴ動いている。そう、"カエルの鳴き声"はその男性の"歯ぎしり"だったのだ。気持ちよく眠っていて自分が出している音に気付いていないのだろうか、その男性の"カエルの鳴き声"はいつまでも止まらない。居眠りをしているときにハッと目を覚まして、イビキをかいていないか心配になった経験をした人もいるだろう。しかし、まさか自分が電車内で歯ぎしりの音を響かせているとは思いもよらない。
私が山手線に乗り込み、目的の駅に到着するまでの約10分、「カエルおじさん」は鳴くのを止めなかった。私が降りた後も、同じように電車のドアが開き、人々が乗車してくるたびに、カエルおじさんに視線が注がれる。あの後、彼は無事に家にたどり着けたのだろうか…。「カエルの鳴き声」が、しばらく私の頭から離れなかった。
みなさんも、少し辺りを見回してみると、意外と身近なところでユニークな光景を目にするかもしれませんよ。
《NewsCafe》
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