
こんにちは、再春館製薬所の田野岡亮太です。
2026年は1月5日から19日までが小寒。
1年に二十四めぐる「節気」のありさまと養生について、ここ熊本からメッセージをお送りします。
「寒の入り」の時季、腎のケアがアンチエイジングにもつながる理由

小寒・大寒を「寒の内(かんのうち)」と言います。暦の上で厳しい寒さが続く時季のことです。
小寒はまだ寒さが最大ではありませんが、寒の入りを迎えて厳しい寒さが続きます。そんな寒さの中、春の気配がかすかに感じ始めるのもこの時季からです。その「寒の入り」の時季に行っておきたい腎のケアは、“アンチエイジング”にもつながります。小寒の暦の後半では、早くも「冬土用」の期間が始まります。
写真は雪化粧をした阿蘇山です。熊本市内で雪が降っていない日でも阿蘇山が白くなっていることはよくあり、通勤道からよく見かけます。阿蘇山は特徴的なカルデラ地形で、中央の阿蘇五山と外輪山の標高が高い形状をしています。そのため、降雪の阿蘇を上空から見ると、中央とそのまわりがドーナツ状に白くなる珍しい自然の景色に出会うことが出来ます。阿蘇ならではの冬の風景ですね。
さて、腎の機能は身体の成長と老化も担います。次の春のための精(エネルギー)を貯蔵する場所でもあり、人という生物として成長するための精を貯蔵する場所でもあります。腎は精を貯蔵しているだけではなく、肝・心・脾・肺の機能に精を渡す働きもします。
他の臓腑がしっかりと働き続けられるだけの精を貯め続けることは、身体をみずみずしい細胞に作り変え続けられるということになります。これがすなわち“アンチエイジング”です。寒いから腎を助けましょうと言っていますが、生命活動の面でも腎精がしっかり足りるようにすれば老化の角度がなだらかになっていくため、アンチエイジングにもなるというわけです。
そして、一人の人間の身体がしっかり養われる、つまり五臓六腑にエネルギーが満ち足りて他に渡せるだけの腎精がしっかり溜まると、もう一人作ろうかなと天癸(てんき)が体内に生まれます。これが西洋医学で言うところの性ホルモンで、次の世代に命をつないでいきます。
天癸が出るには「五臓が満ちていること」が大事で必須条件になります。急激なダイエットでご飯を食べずに細くなると、食べることで貯まる腎精の貯蓄量が減ってしまうので肝・心・脾・肺にエネルギーを渡すだけで精いっぱいになってしまいます。すると、もう一人子どもを作ることにエネルギーを回せなくなるので、月経が止まってしまうなどのあらわれが起きてしまうこともあります。
「寒さに備えて腎のケア」のお話しをさせていただいていますが、それが同時に「アンチエイジングを念頭に腎のケア」にもつながります。

恐縮ながら密かに好評の「再春館製薬所への通勤道シリーズ」は、以前にもお話したことがある「芝生の畑」の現在の状態です。毎年寒さのピークの時季に「山積みの芝」を目にします。いわば芝の苗です。この苗を張った農地が一面、気候が暖かくなると成長して緑の芝になります。芝畑は育つと本当に壮観としか言いようがない美しさで、ゴルフ場のグリーンみたいです。緑になった芝を目にすると「あの山積みの芝がしっかり育ったんだな」と感慨深くなります。
寒の入りの腎を助けるアンチエイジングレシピ。おなじみの「レバニラ」がオススメの理由は

“腎の機能にうれしい食材”でおススメなのは、鶏レバー、ニラ、牡蠣、えび、ブロッコリー、さつまいも、卵黄、などが挙がります。
これらの“腎の機能にうれしい食材”を使ったおススメレシピの1つ目は「レバニラ」です。寒い冬の時季になってからニラは何度か紹介させていただいておりますが、今回は「身近なレシピが身近なアンチエイジング」とお伝えしたくてレシピにしてみました。
作り方は、鶏レバーは血の塊が取り除いて流水で洗い、水をきって3cm大に切り、しょうゆ(大さじ1)・オイスターソース(大さじ1)・おろし生姜(小さじ1)を合せて、揉み込むように下味をつけます。ニラは5~10cmの長さに切ります。
フライパンにごま油をひいて、片栗粉をまぶした鶏レバーを炒めます。鶏レバーの色が変わったら、ニラ・しょうゆ(大さじ1)・オイスターソース(大さじ1)・酒(大さじ2)を加えて炒めます。ニラがしんなりして全体に味が絡んだら、器に盛りつけて出来上がりです。
鶏レバーは「身体に血を補い、肝と腎の機能を助けて目の疲れを改善する」働きが、ニラは「身体を温めて、気・血・潤いのめぐりを良くして腎の機能を助ける」働きが期待できます。この2つの食材を合せただけで「身体が温まる」「血が補われて、気・血・潤いのすべてのめぐりが良くなる」「腎・肝の働きと目の疲れをケアする」と寒い時季には嬉しい効能が満載です。
これらを美味しく食べるために用いたすりおろし生姜は「体表の毛穴を開き、おなかを温めて咳を鎮める」働きが、オイスターソース(=牡蠣)は「身体に潤いを補い、肝に血を補って働きを助けて詰まりを取り除く」働きが期待できます。
鶏レバー・ニラ・生姜は身体に熱を補ってくれる「温性」の食材トリオで、牡蠣は身体の詰まりを取り除いてくれます。寒さが身体にもたらす「冷えと詰まり」を一掃してくれるので、小寒の時季にはピッタリです。自宅でも作れて定食屋でも頼みやすいアンチエイジング料理と思い、おススメレシピで紹介させていただきました。
おなじみの海鮮とブロッコリーをマヨで炒めると「どうして冬の時季にいいメニュー」になる?

2つ目も腎の機能を補うレシピとして「えび・ブロッコリーの手作りマヨ炒め」を紹介します。身体に熱を補ってくれる「温性」の海鮮食材として想起No.1のえびを、消費量が多く農林水産省が定める「指定野菜」に仲間入りのブロッコリーと合せて、「身近な食材の組合せ」として紹介したいと思い、レシピにしました。
マヨネーズは自分で作っても市販品を使っても良いですが、今回は手作りマヨネーズのレシピを紹介させていただきます。
作り方は、えびは殻をむいて背ワタを取り、酒(大さじ2)・塩こしょう(少々)を加えて下味をつけます。ブロッコリー(1房)は小房に分け、さつまいも(1/2本)は縦半分にして厚さ5mm幅の半月切りにして、沸騰したお湯で下茹でをします。
次に“手作りマヨネーズ”を作ります。ボウルに卵黄(1個分)・塩(小さじ1/2)・酢(大さじ1)を入れて、もったりとするまで泡だて器で混ぜ合わせます。ここにオリーブオイル(1/2カップ:60g)を少しずつ加えながら混ぜ合せて、クリーム状になったら出来上がりです。比較的短い手順で作れるので、食べる都度作るのがおススメです。
最後に“火入れ調理”をします。フライパンにオリーブオイルをひいてえびを炒めます。えびに火が通ったらブロッコリー・さつまいも・オイスターソース(大さじ1)・すりおろしにんにく(小さじ1)、手作りマヨネーズ(大さじ2~3)を加えて中火で炒め、全体に味が絡んだら器に盛りつけて出来上がりです。
先ほど紹介したように、えびは「身体を温めて気を補い、腎の機能を助ける」働きが期待できる「温性」の食材で、ブロッコリーは「腎の機能を助けて身体を強く健康にする」働きが期待できます。ここに合わせたさつまいもは「身体に気と潤いを補い、腎の機能を助けて、腸に潤いを補って便通を良くする」働きが期待できます。
つまり、えび・ブロッコリー・さつまいもの組合せは「身体に気と潤いを補って腎の機能を助けて、身体を温めて強く健康にする」働きが期待できる食材トリオです。
ここに味付けで加えたにんにくは「体表の毛穴を開き、身体を温めて咳を鎮める」働きが、オイスターソース(=牡蠣)は「身体に潤いを補い、肝に血を補って働きを助けて詰まりを取り除く」働きが期待でき、身体を温める作用アップと詰まりを取り除く作用プラスになります。
手作りマヨネーズで用いたオリーブオイルは「血のめぐりを良くして、身体に潤いを補って咳を鎮めて便通を良くする」働きが、卵黄は「身体に潤いと血を補う」働きが期待できます。マヨネーズを“手作り”することで「血と潤いを補ってめぐりを良くする」働きをプラスできます。
スーパーで普段から見かける食材の組合せですが、小寒の時季の身体に嬉しい組合せになることをお伝えしたいと思い、おススメレシピとして紹介させていただきました。
寒さがもっとも厳しい期間とうまくお付き合いするために、「成長と老化を担う腎の機能」に気遣ってあげてください。旧暦では節分が1年の区切りなので、新しい年が始まります。節分を過ぎると暦は“春”ですよ!
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