また、この曲からメンバーはアリーナ中央を囲むムービングステージに乗り始め、客席付近を移動しながらパフォーマンス。全員そのステージのギリギリまで前に出てパフォーマンスする姿から、少しでも近い距離で思いを届けたい意志が伝わってきた。それに応えるように盛り上がり続けるMATEの様子を見て「あったまってきたか、スタジアム!」と煽ったOMI。終わると今度は全体が青に染まり「懐かしい曲いくぞ!」と2014年リリースの『JSB Blue』を披露し、OMIの爽やかな歌声が吹き抜ける。続くは一転ネオン感のある『Welcome to TOKYO』。色気と力強さを兼ね備えたダンスで魅せていく。
ここでOMIが「改めて皆さん、三代目 J SOUL BROTHERSです!」と挨拶し「ここまで楽しんでくれてますか!」と尋ねると当然の歓声。「晴れましたね」とつぶやいた後「今日は感謝の気持ちをしっかり伝えて、最後まで1つになりましょう!」と伝え「次の曲も一緒に歌っていくよ。準備はいいか?」から『Feel The Soul』に。「一緒に歌って」「MATEの声聴かせて!」とOMIが言うと、全体から歌声が聴こえた。メインステージのモニターに歌詞が表示されていたが、観客の大半の目線はパフォーマンスが行われていた後方のステージ。それでも見事に歌われていたのは、楽曲そのものの良さがしっかりMATEに根付いている証拠だろう。
またアリーナにはカラフルなバルーンも投げ込まれワクワク感が増幅。パフォーマー5人も、ゆっくりムービングステージの上から全方位に手を振って、そして目を見て感謝を伝えていた。完全に全員の魂のチューニングが合わさっている無敵のスタジアム。「もっともっと俺たちにぶつけてください!」という『Yes we are』のコールアンドレスポンスも見事な一体感を見せた。そして『(YOU SHINE)THE WORLD』でメインステージに戻り、歌い進めていくと「さぁタオルの準備、そして濡れる準備できてますか!」とOMIが伝え、スリーカウントで大量の水がセンターステージからスプラッシュ。驚きと「これを待っていた!」という反応が良い意味でもみくちゃとなって、さらにテンションが上がる会場。曲終わりにもう一発噴射され、改めてその量と吹き上がった高さにざわめきがしばらく止まらなかった。
◆三代目JSB、これまでの軌跡振り返る
ざわめきの中、モニターに彼らの軌跡をまとめた映像が流れ出す。2025年から1年ずつ遡っていき、2010年のデビュー年まで遡った後、ステージで披露されたのは『Best Friend’s Girl』。デビュー曲だ。メインステージ上に設置された蔦苔で装飾された階段の上で、衣装も着替えたメンバーがパフォーマンス。しっとりとした曲調にOMIの甘美な歌声とパフォーマーの指先まで情感たっぷりなダンスはマッチし、この15年で磨き上げたものを感じさせた。「On Your Mark〜ヒカリのキセキ〜」でも、そのしっとりさは継続。もう陽もほとんど落ちたこの時間帯に合う。アッパーなチューンとは違う、NAOTOや小林の背中が語るダンスにも引き込まれた。
『SO RIGHT』での光の演出も合わないわけがない。『Go my way』『Kiss You Tonight』ではメインステージの両端に移動しながらパフォーマンスし、移動の際にはカメラに向けてサービスも。続く『Always』でピュアな空気感を作った後、大きく映し出された夕日の映像をバックに「みんなこのイントロを聴けば分かるよね?みんな一緒に歌おう。アリーナも、スタンドも、誰も置いてかないよ。一緒に行こう」というØMIの言葉から『君となら』へ。アコースティックサウンドに観客の大合唱が乗るとメンバーから「さすがMATE」という表情を引き出す。一面オレンジ色に染まるスタジアムの景色は圧巻。終盤、OMIは〈信じられる”MATE”となら〉と歌詞をアレンジするような場面も。
OMIの動物キャラクターが登場するムービーを挟み、ステージ上にØMIも合流すると『MUGEN ROAD』でまだまだ燃やしていくJSB3。心なしか演出の炎の量が増え、サポートダンサーのフラッグも熱気を煽り、チーム全体でスタジアムの熱を上げ燃やし尽く勢いでと始まった後半戦。続いてモニターに「LOVE」の文字が映し出されたら『Feel So Alive』だ。ELLYが見事なラップを決め、中毒性もある楽曲で会場を魅了した。今度はアリーナの真ん中を通っていくフロートステージに乗って、観客に近付いていくメンバー達。さらなる至近距離にアリーナは沸き立ち、グルーヴもまた一段階上がる。
そしてここからは9曲のメドレー。ダンスもジャンプもコールアンドレスポンスも止まらないラインアップだった。『Summer Madness feat. Afrojack』『Share The Love』『Rat-tat-tat』とダンスが話題になったナンバーから、爽やかで心が軽くなる楽曲達の応酬に天国級のピースフル。バルーンも再度投入された。メドレーの最後は『STARS』。辺り一面、一番星のように輝く笑顔に溢れ返っていた。