「初めて恋をした人は、特攻隊員でしたー」10代を中心に絶大な人気を博し、シリーズ累計発行部数は150万部を突破。汐見夏衛による同名ベストセラー小説(スターツ出版文庫)の実写映像化として、福原遥、水上恒司がW主演を務め、松坂慶子、伊藤健太郎、嶋崎斗亜、上川周作、小野塚勇人、出口夏希ら豪華キャストが出演した『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』。
福山雅治による書き下ろし主題歌「想望」が彩る本作は、公開直後から絶賛の口コミが相次ぎ、「追い花」という言葉が生まれるほどリピーターが続出。福原演じる女子高生・百合と、水上演じる特攻隊員・彰による時空を超えた切ないラブ・ストーリーに涙する人が相次いだ。
福原遥、伊藤健太郎、小野塚勇人らが登壇
8月8日(金)、主人公で現代の女子高生・加納百合役を演じた主演の福原、百合がタイムスリップした戦時中の日本で出会う特攻隊員・石丸役の伊藤、同じく特攻隊員・加藤役の小野塚、そして原作者・汐見夏衛ら「あの花」チームが1年半ぶりに再集結。

イベントには、映画公開当時に日本中で巻き起こった“追い花”現象を彷彿とさせるほど殺到した応募の中から、当選した4,600名の「あの花」ファンが参加。号泣必至の名シーンを、新日本フィルハーモニー交響楽団による大迫力のオーケストラ生演奏とともに堪能できる「シネマ・コンサート」を体感した後、キャスト&原作者が登壇するスペシャルトークショーが行われた。


シネマ・コンサート初体験という伊藤は「鳥肌が立つような貴重な経験をさせていただきました」と満面の笑み。
小野塚は、かつて主題歌担当の福山雅治が舞台挨拶にサプライズ登壇したこともあったことから「エンドロールで福山さんの曲が流れそうになった時に『まさか!? 今回も(生歌唱)!?』と思ったけれど…。さすがにないよね、と飲み込みました」と笑わせ、汐見氏は「観客の皆さんの一生忘れられない初めての体験になったとしたら嬉しいです」と語った。

戦争をテーマにした作品に参加したかったという伊藤は「本作を経験して生きる事のありがたさや、日々への感謝という部分で考え方が改まりました。今後生きていく上でも重要な一つの存在になっています」と実感したそう。
中学生の姪っ子が本作に感銘を受けて戦争について考えるようになったという小野塚は「若い世代が観るきっかけになったのはとてもいいこと」としみじみ。
汐見先生も「本作がきっかけで講演会に呼んでいただいたり、テレビに出演させていただいたり。今日だってそうです。人生が変わった作品になりました」と大ヒットの影響を感じていた。
この日、残念ながら欠席となった水上恒司と上川周作からはビデオレターが届いた。水上は「今日の時間を過ごしたのちにも、大事な人の事を思えるような温かい心になってくださったら」と呼び掛け、上川は「小さな思いやりや対話が積み重なって平和になっていくはず。今日の経験がそんなきっかけになったら嬉しい」と語った。
今年は戦後80年。本作を通して同世代に伝えたいことを聞かれた福原は「戦争という事実があった事を感じて今ある幸せは当たり前じゃないんだとか、今の自分に何ができるのかを考えていただきたいです。今の世代だけではなく、この先の世代にも思いを繋げていける作品になればと思います」と祈念。

小野塚は「日本が経験した戦争という歴史があって僕らの今の生活がある。そんなことを今の10代の子たちにも知ってもらえると嬉しいです。この作品を観て若い子たちがどう感じてどう考えるのかを大切に、生きていってほしいです」と述べた。
汐見先生は「私が原作を書いた10年前とは違って、今は毎日のように戦争という言葉がニュースで聞かれるし、戦争の映像がテレビから流れてくる。そんな戦争の惨状を見た時に、そこにどんな人が住んでいてどんな生活をして何が奪われたのか。そして爆撃をしている人はどんな思いなのかを、本作をきっかけに思いを馳せてもらえたら平和の思いは未来へと繋がるのではないかと思います」と希望を口にしていた。

トークイベント終盤には、映画『あの花が咲く丘で、君とまた出会えたら。』の続編映画化決定がサプライズ発表。映画『あの星が降る丘で、君とまた出会いたい。』が2026年に公開されることが発表された。
同じく汐見氏による同名続編小説が原作。まさかのサプライズに観客がどよめく中で、伊藤は「俺たち出られるのかな!?」と笑わせ、小野寺は「でも今日ここに立っているということは…!?」と興味津々。

最後は新日本フィルハーモニー交響楽団と青葉市子氏によるアンコール演奏が行われ、キャスト全員で手を繋いで満面の笑みで合計2回のカーテンコールを実施。拍手喝采の中、大団円でシネマ・コンサートは幕を閉じた。
