こんにちは。神奈川県在住、フリーライターの小林真由美です。ここ数年のマイテーマは「介護」。取材でも高齢者にまつわること(介護のほか、終活や相続・遺言など)に関わる機会が増えてきましたが、どこか他人事でした。それがしっかり「自分事」になった途端、驚くほど冷静さを失ってしまったのです。
【アラフィフライターの介護体験記 住まい探し編】#18
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▶お金もかかる近距離介護
「このまま田舎で暮らすのもアリ?」 義母の気持ちにも変化が!
見学を終え、夫と私が最終的に気になったのは費用の面。AとBのいずれも、「家賃」「管理費」「生活支援サービス費」「食費」を合計すると、月額15~20万程。これに水道光熱費、介護保険サービス費や医療費を加えると、なかなかの金額に! 「このまま田舎で暮らすのもアリ?」などと考えていたところ、そんな様子を察したかのようにお義母さんから連絡が……。
夫:「ウチの近くで暮らす話だけど、見学に行ってきたよ」
義母:「あぁ、それなら気が変わったわ。やっぱりココ(田舎)にいる!」
夫:「えっ……?(あんなに乗り気だったのに)」
義母:「Aちゃん(友だち)が自宅の隣にアパートを持っているから、そこに住むことにするわ」
Aちゃんとは、お義母さんの学生時代からの友人。夫曰くアパートを持っているのは事実だが、最近は足腰も弱り、認知症のような症状も出てきたことから、隣の市に住む娘さんが同居話を進めているとか。
夫の予想では、かつてAさんが「そんなこと(隣同士で暮らす)ができたら楽しいねぇ」と夢のように語ったことを、つい最近の話として記憶。いずれにしても「電話では限界がある」ということで、近いうちにお義母さんと話し合うことになりました。
▶遠距離介護のメリットとは
実はこんなメリットも! 遠距離介護って実際どうなの?
田舎に帰るたび、お義母さんに抱いた違和感。「おそらく認知症だろう」と確信した夫と私は、「田舎の義母宅を訪れ『時間とお金がかかるうえ、何らかの不安を感じて帰宅する』を繰り返すなら、我が家の近くで暮らしてもらったほうがいいのでは?」との結論に至り、住まいに関する情報収集を始めたのですが……。
そんな中、耳にしたのが「認知症は、環境の変化で一気に進む」という話。ここにきて「遠距離介護を視野に入れるべき?」とも考えるようになりました。
ちょうど、遠距離介護を始めた友人がいたので様子を聞いてみたところ、「意外とメリットもあるよ」とのこと。彼女が感じている遠距離介護のメリットは以下の4つ。
- 介護による精神的な疲れ、ストレスが軽減される
- 距離があることで、お互いを思いやれる
- (1人暮らしのための)介護保険サービスが利用できる<生活援助/食事の準備、洗濯、掃除など>
- 特別養護老人ホームに入居希望の場合、優先順位が高くなる
確かに住み慣れた家から引っ越すことで、お義母さんも介護する私たちもストレスを抱えるのはいかがなものか? ただし遠距離介護を始めるなら、それなりに準備も必要。そんなことを考えながら田舎に帰った夫と私は、再びお義母さんの異変を目の当たりにするのですが……。それはまた、次回お話ししたいと思います。