梅雨シーズンです。雨の日の小さな所作には、その人の“心”がにじみ出ます。
憂鬱になりがちなこの季節こそ、さりげない心遣いで周囲を和ませる——。そんな“ふるまい美人”でありたいものですね。今回は「訪問する側」「お迎えする側」「公共の場」、この三つの場面で、育ちのいい人がするふるまいを(一社)日本プロトコール&マナーズ協会松田玲子先生からご紹介していただきました。
【 気品を身につけるシンプルな教え/梅雨時のマナー編 113】
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▶雨の日、電車で「しないでほしいこと」
<その3.雨の日に「電車内や公共の場」ですべき心遣い>
◆濡れた傘には、カバーという選択をする公共の場の“気配り美人”に
雨の日、混雑している車両で他人の濡れた傘が当たって、洋服が濡れてしまった経験はありませんか?それは避けたいもの。時に、駅のホームで濡れた傘を折りたたんでカバーに入れている方をお見かけします。とてもスマートで素敵だと感じました。濡れたままの傘を持って電車に乗車すると、自身も周りの方も濡れた傘が当たって不快に感じますね。このような便利なカバーは長い傘用や折り畳み傘用などいろいろとありますので、お気に入り見つけて、少しでも雨の日を快適に過ごしたいものです。
◆傘の持ち方ひとつで、印象も安全性も変わります。あなたはどう持つ?
傘をさしているとき、中棒を肩にかけるように斜めに持った状態で歩くと、水滴で自分の背中側の服が濡れるだけでなく、後ろの人の視界も悪くしてしまいます。また、後ろの人は目の前に傘があると圧迫感を感じやすくなるため、ストレスにもつながります。傘をさす際は、まっすぐ立てて持ちましょう。
▶傘はどうさすのが正解?
◆手の振りに合わせて傘を前後に振ってしまっている方、危険です
閉じた傘を持っているとき、駅の階段で手の振りに合わせて傘を前後に振っている方を見かけますが、とても危険です。他にも、先端がいつの間にか前後の人に向いていた…などという経験はありませんか?傘を持つ際は、なるべく自分の体の前に持つと安心です。また、腕にかけて持つ際は、傘を腕の外側からかけると、傘の先端が自分側にきます。このように、ちょっとした気遣いが、周りに安心感を与えるので、意識して気をつけましょう。
◆狭い道や混雑している場所を歩く場合は傘を傾けてください
狭い道を通る時、傘をそのまま堂々とさしていますか?人とすれ違う時は傘を傾けましょう。江戸しぐさの「傘かしげ」というふるまいですが、傘と傘とがぶつかったり、水滴が相手にかかったりすることを防ぎます。傘先を相手とは反対側に少し傾ければ、相手に露先をぶつけたり水滴が周りの人の服についてしまうことも防げます。
雨の日でもさりげないふるまいや心遣いが、誰かの喜びや安心につながります。美しさは日常の中にあるのです。そんな“ふるまい美人”でありたいですね。