こんにちは。神奈川県在住、フリーライターの小林真由美です。ここ数年のマイテーマは「介護」。取材でも高齢者にまつわること(介護のほか、終活や相続・遺言など)に関わる機会が増えてきましたが、どこか他人事でした。それがしっかり「自分事」になった途端、驚くほど冷静さを失ってしまったのです。
【アラフィフライターの介護体験記 住まい探し編】
◀◀◀「高齢者の住まい探し」って実際どうなの?86歳になる義母の物件探し中、不動産屋につきつけられた現実とは_◀◀◀
▶高齢者でも賃貸物件を借りられる?アパート大家の友人による見解は?
高齢者でも賃貸物件を借りられる? アパート大家の友人による見解は?
確かに健康面や金銭面から考えても、80代後半での1人暮らしはリスクを伴い、貸主が高齢者の入居を拒むのも分かる。でも「何か手立てがあるのでは?」と思った夫と私は、かつて実家がアパートの大家をしていたという友人に話を聞いてみることにしました。
すると「高齢者の入居については、制限しているところばかりではないと思うよ。家族が連帯保証人になる、あるいは近隣に住んでいることで入居審査が通る可能性もあるし。ただ、『条件』に合う家があるかなぁ」と何となく歯切れが悪く……。
▶私の視点に足りなかったもの
その様子や「条件」という言葉が引っかかり頭を整理していると、私はお義母さんが住む家について、ぼんやりとしか考えていなかったことに今さらながら気付くのです。不動産会社に問い合わせた物件は、「我が家から徒歩圏内」「近くにスーパーやドラッグストアがあるから便利」といった点に惹かれたからで、「高齢者」という視点でちゃんと見ていなかった。
友人が言った「条件」とは、高齢のお義母さんが1人で暮らすための安心安全な環境のこと。バリアフリーやセキュリティ設備の充実、足腰の負担を考えた生活動線がシンプルな間取りやエレベーターの設置、さらには医療機関が近いことも考慮したほうがいい。今考えると当たり前のことなのですが、ここにきて、ようやく友人の「『条件』に合う物件があるかなぁ」の意味を理解することができました。
▶地域包括支援センターにて新たな選択肢が浮上!
地域包括支援センターに相談へ。そこで出会った新たな選択肢
これらの「条件」を満たし、さらに我が家から徒歩圏内で、希望の家賃(できれば家賃に生活費もあわせて年金の範囲内で)の物件を見つけることは、かなり厳しいのかもしれない……。
やっと現実が見えてきた夫と私は相談に乗ってもらうべく、地元の「地域包括支援センター」へ。そこで現状を伝えたところ、「サービス付き高齢者向け住宅」(※)について教えていただきました。
(※)高齢者に配慮したバリアフリー構造の住宅。生活相談サービスと安否確認が必須で、食堂付きのところもある。入居条件は、「60歳以上の方」もしくは「要介護、要支援認定を受けている60歳未満の方」。施設によっては、認知症や感染症に関する独自の入居条件を追加している施設もある。提供されるサービスの内容は各住宅によって異なるため、必要に応じて訪問介護サービスなどを利用する(自立の方向けと要介護者向けの住宅で、設備も大きく異なる)。
▶そこに新たな壁が立ちはだかる…
生活相談サービスと安否確認があるというのは、家族にとっても非常に安心。さらに食堂が付いているところであれば、入居者と交流が深められるかもしれない。「なんだか一気に選択肢が広がった!」と一気にテンションがあがった夫と私。
しかし、「良さそう」と思うところは入居待ちの人数が多かったり、費用の面で折り合いが付かなかったり。実際の住まいが決まるまでには、まだまだ長い道のりなのですが……。それはまた、次回お話ししたいと思います。