「風邪かなと思ったら、この年になって花粉症を発症してました」そんな人が「大抵足りていない」意外なモノとは【満尾正医師が解説】 | NewsCafe

「風邪かなと思ったら、この年になって花粉症を発症してました」そんな人が「大抵足りていない」意外なモノとは【満尾正医師が解説】

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「風邪かなと思ったら、この年になって花粉症を発症してました」そんな人が「大抵足りていない」意外なモノとは【満尾正医師が解説】

これまで花粉症ではなかったのに、2月3月のある日、突然目や鼻に症状が出て、「風邪かな……? でも、治らないな……?」なんて感じで花粉症に突入してしまった人はいませんか?

現在、40代50代になってから花粉症を発症する人が増えているのです。なぜ、今ごろ、花粉症になってしまうのでしょうか?  花粉症は、スギ、ヒノキ、イネ科、ブタクサと秋まで続きますので、その原因と対策について、満尾クリニック院長・医学博士の満尾正医師にお話を伺いました。

なぜ40代以降に花粉症になってしまうの? それは体内の「ビタミンD」が加齢によりさらに減少するから

―――花粉症発症の時期は10〜20代と若い世代だと思っていました。

中年期になって、花粉症を発症する人は少なくありません。花粉症は、体内に入った花粉が異物とみなされ、免疫システムが異物を排除しようと攻撃し炎症を引き起こす疾患です。アレルギー症状として、鼻水、くしゃみ、目のかゆみなどが現れます。

その中で、アレルギー発症リスクを高めるのは、免疫の過剰反応を抑えるビタミンDの不足です。ビタミンDには優れた免疫機能を調整する働きがあるのですが、元々、日本人の8割以上がビタミンD不足、さらに生活習慣や加齢により体内のビタミンDは減少していくため、免疫システムが乱れ、中年期以降に花粉症を発症する人が増えているのです。

―――ビタミンDとは骨を丈夫にするビタミンだと思っていました。

ビタミンと呼ばれていますが、その本質はコレステロールを原料とするステロイドホルモンの一種です。ステロイドホルモンと聞くと驚くかもしれませんが、体内では、常にさまざまなホルモンが複雑に機能して健康を保っています。ビタミンDはホルモンと同じように、細胞膜を通過し、直接、細胞内の核に作用する力を持ち、全身のさまざまな細胞の働きを指導する命令信号のような重要な役割を担っています。

さらに、免疫調整作用があります。外から体内に侵入してきた異物を認識し、排除する体の防御システムをコントロールしています。つまり、炎症につながる物質を抑制し、炎症を抑える物質を産生しています。骨だけでなく、ほぼ全身の細胞に欠かすことのできない重要な働きをしているのです。

最近よく言われることだけど、日本人は本当に「ビタミンD」が不足している

―――昨今、ビタミンDの不足についてはよく聞くようになりました。原因を教えてください。

ビタミンDは、日光浴で直接、紫外線を浴びることによって皮膚で作られます。現代人は室内空間で過ごす時間が多くなり、日光を直接浴びる時間が圧倒的に減ったことが原因です。窓越しの日光を浴びても皮膚でビタミンDは作られません。

1980年ごろ、紫外線を浴びると皮膚ガンになるという医学情報が蔓延し、多くの人々が紫外線を避けるようになってしまいました。追い討ちをかけるように「美白」ブームが定着。徹底的に紫外線をカットする女性が主流になり、日焼け止めを塗る幼児も増えました。日焼け止めを塗るとビタミンDは作られません。ビタミンD不足の母親が母乳100%で乳児を育てるとどうでしょうか。乳児もビタミンD不足になってしまいます。

私のクリニックの外来受診者、約1,800名の血中のビタミンD3の濃度(25(OH)D3)を測定しました。ほぼ8割の方が30ng/ml未満の「不足状態」にあり、そのうちの約半数が20 ng/ml未満の「欠乏状態」。至適濃度と言える40ng/ml以上の方はわずか5%でした。

―――どうして加齢に伴って「ビタミンD」が減少するのでしょう? 年をとっても日光に当たる量が減るわけではないと思うのですが。

若い時と同じ時間、紫外線を浴びても加齢とともに皮膚で作られるプロビタミンD(ビタミンDの前駆体)の濃度は低下していきます。これは、プロビタミンDを作るために必要なコレステロールからの酵素の力が弱くなるためと考えられています。また、内臓脂肪が増えると、脂肪にビタミンDが溶け込んでしまうため、ビタミンDの血中濃度は上がりにくくなります。脂肪肝など肝臓の機能に異常がある場合は、ビタミンDの代謝が悪くなり、同様に血中濃度は低くなります。

日光浴の習慣がなく身体変化があるならば、ご自分のビタミンDが足りているか、血液中のビタミンD濃度「カルシジオール(25(OH)D3)」の測定をお勧めします。血中ビタミンD濃度が20 ng/ml以下の欠乏状態でしたら、すぐに補充が必要です。

あまり耳慣れないかもしれないけれど。実は「ビタミンD」は花粉症の救世主!

―――花粉症に対してビタミンDの期待できる効果を教えてください。

ビタミンDがアレルギー疾患である花粉症に効果が期待できるのは、ビタミンDに免疫をコントロールする力免疫調整作用があるからと説明しました。免疫調整作用により、鼻水、くしゃみ、目のかゆみなど引き起こす炎症性サイトカインの産生を低下させ、抗炎症性サイトカインの産生を誘発して抑えます。また、抗菌ペプチド「カテリジン」の産生を促進し、鼻や喉のバリア粘膜を強くします。

花粉症(アレルギー性鼻炎)の重症度とビタミンDの関係を調べた研究があります。アレルギー性鼻炎50人の血中ビタミンD濃度を測ると10ng/mlと欠乏状態で、数値が低いほど花粉症が重症という相関が見られました。ランダムに2つのグループに分け、ビタミンDを30日間、25μg投与した群とプラセボ(偽薬)を投与した群で比較すると、ビタミンDを投与した群の花粉症の症状が大きく改善していたこともわかりました。

このように、ビタミンDの補給は花粉症にとって有効です。救世主になること間違いなしです。

ここまでの記事ではビタミンDの働きについて伺いました。続く記事では適切なビタミンDを摂取するための食事や、効率的な補給法について伺います。

つづき>>>「花粉症にビタミンDがいい」って本当ですか?ビタミンDが足りないとは聞くけれど、何をどのくらい食べたらいい?【満尾正医師が解説】

【満尾 正先生】

「ビタミンDの第一人者の一人」 満尾クリニック院長・医学博士

1982年北海道大学医学部卒業。内科研修を経て杏林大学救急医学教室講師として救急救命医療に従事。ハーバード大学研究員、救急振興財団教授を経た後、アンチエイジングを中心としたクリニックを2002年に開設。現在に至る。日本キレーション協会代表、米国先端医療協議会(ACAM)理事 。著書多数。近著に『「名医の食卓」ハーバードの最新栄養学をあなたの食卓に』(アチーブメント出版)


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