江戸の男性の「生涯独身率」は8割だったってホント!? “おひとりさま男性”がサイコーに住みやすかった街の秘密とは【NHK大河『べらぼう』#4】 | NewsCafe

江戸の男性の「生涯独身率」は8割だったってホント!? “おひとりさま男性”がサイコーに住みやすかった街の秘密とは【NHK大河『べらぼう』#4】

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江戸の男性の「生涯独身率」は8割だったってホント!? “おひとりさま男性”がサイコーに住みやすかった街の秘密とは【NHK大河『べらぼう』#4】

*TOP画像/花咲男のへっぴり男 大河ドラマ「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」4話(1月26日放送)より(C)NHK

「べらぼう~蔦重栄華乃夢噺~」ファンのみなさんが本作をより深く理解し、楽しめるように、40代50代働く女性の目線で毎話、作品の背景を深掘り解説していきます。今回は江戸時代における「独身男性」について見ていきましょう。

江戸で石を投げれば「独身男」にあたる!?

現代社会において、独身はもはやレアキャラではありません。2020年における男性の50歳時の未婚率は28.3%、女性は17.8%といわれています*1。個人で楽しめる娯楽も増え、 “結婚は必ずするもの”という価値観が払しょくされつつある今、おひとりさまはますます増えていくでしょうね。

とはいっても、日本の歴史を振り返ると、未婚者の増大は近年における初の現象でないことが分かります。例えば、江戸時代についても、江戸時代初期は8割の男性が生涯にわたって独身であり、なんと…既婚男性の方がレアキャラでした。参勤交代で赴任してきた武士などをはじめとする独身者が江戸で暮らしていました。

当時の江戸では、お見合いは誰もができるわけではなく、お見合いできるのは人脈がある人だけ。さらに、既婚者・未婚者関係なく、町人の多くは日銭を稼いで暮らしていたといわれています。

江戸の男たちのキビシ~イ事情は東京で暮らす現代の男たちに重なるように思います。今も、仕事のために都心で単身で暮らす男性は多いですよね。それに、お見合いするにはお膳立てしてくれる人が必要で、人脈がなければできません。さらには、非正規雇用や日雇い労働の拡大により、日銭を稼いで暮らす男性も多くいます。

*1 こども家庭庁「令和6年版こども白書」参照

お手軽に食べられる飯(メシ)はいつの時代も男ウケ抜群

働く男たちが“自炊はめんどくさいけど、うまいものを食いたい!”と思うのは、いつの時代も同じです。また、最近は、松重豊主演「孤独のグルメ」(テレビ東京系列)が人気を集めていますが、働く男にとって“一人飯”は心安らぐ至福の時間。

近年、街のいたるところに働く男たちのオアシスといえるようなお店がありますが、日本で男の一人飯が盛り上がったのは江戸時代以降です。明暦の大火以降、屋台天秤棒をかついで食べ物を売り歩く振り売りが江戸で増加。天ぷらうなぎ寿司蕎麦は当時から人気があり、屋台で手軽に食べられました。また、天丼うな丼といった丼ものも江戸でヒット。その他にも、江戸っ子たちの間ではこんにゃくの田楽茶飯焼き芋おしるこいか焼きなども人気があったそうですよ。

江戸っ子たちが食べていた天ぷら、寿司、蕎麦は現代のものと少し違います。天ぷらは串に刺して売られていました。箸や皿を使わずに食べられますし、その場で立ち食いもできますね。また、江戸の握り寿司はコンビニに売っているおにぎりくらいのサイズ感でした。蕎麦については、せいろで蒸した蕎麦、蕎麦粉を熱湯でこねた蕎麦から茹で蕎麦へと移り変わっていきました。

江戸の男たちにとっての屋台での食事は現代のサラリーマンがくら寿司や天丼てんや、名代 富士そばなどで食事をする感覚に近いのかもしれません。都心部のこれらのお店はお昼の時間帯や夕方は働く男たちでにぎわっています。

江戸は独身男性のパラダイス!居酒屋も、かわゆいおなごがいる茶屋も

みんなでお酒と肴をワイワイ楽しめる居酒屋も江戸にありました。神田鎌倉河岸に所在した豊島屋は酒も肴もリーズナブルで、連日大繁盛していたそうです。2文(約30円)で売られていた豆腐田楽はボリュームもあり、人気商品の1つでした。(安くて、うまくて、量が多いもの最高!)

また、江戸では水茶屋(喫茶店)が男たちから人気を集めていました。彼らの目当ては“かわいらしい女店員”。水茶屋の店主の中には美人と評判の町娘を客寄せのために雇う人もいました。また、絵師・鈴木春信は水茶屋で働くおせんを気に入り、彼女の絵を何枚も描いています。この絵を見た人たちはおせんに会ってみたいと、この店を訪れたんだとか。さらに水茶屋で働く娘の番付(ランキング表)客が贔屓の娘にエプロンを贈る習慣も生まれました。

水茶屋で働く娘の中にはおしゃれでかわいらしい着物を着て働く人も多くいたそう。また、人気の娘は稼ぎもよく、高価なもので飾り立てることができました。

本編では、江戸の独身男性の生活事情に迫りました。

続いて「江戸の時代に女性たちの物欲を掻き立てた『錦絵』=現代のインスタ!? 騙され、夢を踏みにじられても諦めない重三郎は【NHK大河『べらぼう』#4】

では、NHK大河『べらぼう』第四回の内容を深堀りします!

参考資料

江戸歴史研究会『江戸のひみつ 町と暮らしがわかる本 江戸っ子の生活超入門』メイツ出版  2019年

小和田哲男(監修)『大江戸 年中行事の作法』ジー・ビー 2021年

中江克己『お江戸の意外な「モノ」の値段: 物価から見える江戸っ子の生活模様』PHP研究所 2003年

こども家庭庁「令和6年版こども白書」


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