結婚生活10年。
自宅で仕事をすることが多いフリーライターの筆者は、妻と1日24時間、365日をともに過ごしてきました。一般的な夫婦が1日8時間程度をともに過ごすと考えれば、我々は一般的なご夫婦の実に3倍もの時間をともにしていることになります。
結婚生活30年に相当するキャリア──と言っても過言でないかもしれません。
さて、そんな我々夫婦は、自他ともに認めるおしどり夫婦です。周りの目には「運よく相性に恵まれた二人」と映っているかもしれません。
しかし実は、妻をはじめ私自身も、良好な夫婦関係でいられるよう努力したり工夫したりを繰り返してきました。
本項では、我々夫婦がどのようにして夫婦円満を実現してきたか、どういう工夫や失敗をしてきたのかを告白します。
「セックスレス」「不倫」「金銭問題」などを解消。夫婦が達成すべき3つの課題
夫婦間のトラブルにはさまざまなケースがあります。たとえばささいな言葉が原因でケンカになってしまったり、家事や育児における価値観をシェアできなかったり、セックスレス、不倫、金銭問題──。枚挙に暇がありません。
しかし、大半のトラブルは大きく「3つの課題」を達成することで解消される可能性が高いと筆者は考えています。
3つの課題とは「コミュニケーション」「コンディション」「自己受容」です。
▶▶「どんどん不仲に」「相手の心が離れていっている」と思ったら試すべきこと
1.コミュニケーション(相手の話をよく聞く)
円満で心地よい夫婦関係には十分なコミュニケーションが欠かせません。
コミュニケーションというと「スキンシップを図る」「積極的に話す」といった能動的なニュアンスをイメージするかもしれませんが、実は「傾聴の姿勢」がもっとも大切です。
傾聴の姿勢とはつまり「相手の話に耳を傾ける姿勢」です。
実はこれが意外と難しい課題でもあります。なぜなら人間には「自分の話を聞いてほしい」「理解してほしい」という本能的欲求があるからです。
だからといって自己主張ばかりしていると、お相手の心は離れていく一方。
まずは傾聴の姿勢で相手の話を聞き、先に相手の気持ちや意見を受け入れてあげると、相手もこちらの話に耳を傾けてくれやすくなります。するとトラブルやすれ違いを円満に解決しやすくなり、最後は「ともに難局を乗り越えた戦友」のような絆が芽生えることすらあります。
多くの人間は、気持ちに余裕がないと他人の話を冷静に受け止められないものです。ですから、こちらの気持ちや意見を相手に受け入れてもらいたいなら、まずは傾聴の姿勢で「こちらを受け入れてもらいやすい状態を相手に作ってあげる」ことが大切です。
そしてこれを達成するには、まずは自分自身の「話を聞いてほしい」「受け入れてほしい」という承認欲求や感情的な課題としっかり向き合い、先述の「本能的欲求」を上手にコントロールできるようにならなければなりません。