幾田りら&あの、苦戦したのは“1テイクで全部録り切る”2人のシーン「声優経験がほとんどない」W主演抜擢への本音<インタビュー前編> | NewsCafe

幾田りら&あの、苦戦したのは“1テイクで全部録り切る”2人のシーン「声優経験がほとんどない」W主演抜擢への本音<インタビュー前編>

芸能 モデルプレス/ent/wide/show3
モデルプレスのインタビューに応じた幾田りら、あの(C)モデルプレス
【モデルプレス=2024/03/16】アニメ映画『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』(通称・デデデデ/前章3月22日(金)公開)にて、声優キャストとしてW主演を務めた歌手の幾田りら(いくた・りら)とあのが、モデルプレスらのインタビューに応じた。

今回、声優初挑戦となったあのと、映画『竜とそばかすの姫』(2021)以来2度目の声優挑戦となった幾田。インタビュー前編では、W主演に抜擢された時のプレッシャーや作品の魅力、歌唱と声の演技の共通点などについてたっぷりと語ってもらった。

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◆幾田りら&あの、声優でW主演 アニメ映画「デデデデ」

本作は、共感性の高いストーリーを圧倒的な画力で描き出す漫画家・浅野いにおの真骨頂ともいえる「デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション」をアニメーション化。浅野のアニメ化としても初となる。突如東京上空に巨大な宇宙船、通称“母艦”が襲来し、絶望的に思えた異常事態も次第に日常へと溶け込んでゆく世界で、日々の青春を謳歌する少女たちの物語となっている。

ごく普通の女子高生・門出(小山門出)を幾田が、ハイパー&ポップな親友のおんたん(中川凰蘭)をあのが演じる。また、本作の前章はano feat. 幾田りらによる『絶絶絶絶対聖域』(作詞・あの、作編曲・TK/凛として時雨)、後章は<幾田りら feat. ano>による『青春謳歌』(作詞・作曲ともに幾田)と、幾田とあのによる楽曲が主題歌として作品を彩る。

◆幾田りら&あの、声優W主演にプレッシャーも「2人で手を取り合って」

― 本作で声優W主演が決まった時の心境を改めて教えてください。

あの:自分が決まったことも素直に嬉しかったですし、門出役が幾田さんでとても嬉しかったです。「どういう相乗効果があるのかな」と楽しみでした。

原作もファンにとても愛されている作品ですし、声優は本当に初挑戦だったので、そこでの主演にはプレッシャーがありました。ただ、ファンの方の想像が壊れないようにできるか、自分が演じることでの意味など、しっかり考えながら演じることができたので、プレッシャーはありつつも楽しむことができました。

幾田:決まった時は本当にとても嬉しかったのですが、それと同時に主演という責任感もありました。ファンの方もたくさんいらっしゃいますし、アニメーションというのはとても時間をかけて、たくさんの方の手によって出来上がる作品なので、皆さんの熱量が込められた作品の1番大事な役割を自分が全うできるかという責任感とワクワクがせめぎ合っていて、プレッシャーも大きく感じていました。

でもそれがあったからこそ、本番も全身全霊でぶつけられましたし、あのちゃんも私もお互い声優経験がほとんどない中「2人で手を取り合っていい作品にできたら」という切実な思いで挑みました。主演が2人だったということもあって、一緒に全力を注いでいる実感が大きかったので、向き合った分だけちゃんとできていると信じていました。

◆幾田りら、あの演じるおんたんは「友達に欲しい」

― 浅野いにおさんの原作を読んだ時の感想はいかがでしたか?

あの:絵のタッチは可愛いのに、他の漫画にはないような言葉の強さや、終わりに向けて崩壊していくというフィクションを交えながらも意外と自分たちの周りでも起きてしまいそうな鋭さや急にグサッと刺される絶望感があって、どんどんハマっていく感覚がありました。

幾田:とにかく最初は絵の力に圧倒されました。人物の1つ1つの表情、描かれている描写はもちろんのこと、母艦など様々な建造物の細かいディテールにまで迫力を感じました。そして、世界が終わっていくのではないか、人類が終了していくのではないかという空気感の中で、門出やおんたん、その周りの人たちは、すごくくだらない日常を過ごしているというコントラストにどんどんのめり込んでいって、私もとてもハマりました。

― 幾田さんはあのさん演じるおんたん、あのさんは幾田さん演じる門出、お互いのキャラクターに感じる魅力を教えてください。

あの:自分が演じていたおんたんにも共感するけど門出にも共感する部分が多いと思っていました。特に、門出がおんたんのことを“絶対”だと思いすぎてしまって、周りの人から否定されるような“正義”を振りかざしてしまう瞬間は、ある人からしたらすごい悪いように見えてしまうけど、僕はかっこいいと思いましたし、味方でいたくなるというか、自分と重ねて共感せざるを得ませんでした。あとは、渡良瀬先生(門出が恋心を寄せる高校時代の先生)の前での可愛らしさなど、門出は愛嬌のある憎めないキャラクターで魅力は言っていったらきりがないくらいあるけど、その“正義”を振りかざすシーンは特に心が痛くなりつつも、自分にとってはとても等身大な姿だったので魅力的でした。

幾田:おんたんはとてもはちゃめちゃなのですが、その根底にはもう溢れんばかりの優しさがあると分かった上で人柄を理解していくと、本当に人情が熱い人なのだと感じます。私も自分の大切な人を守るために、大切なものを大切にするために生きたいですし、そのために思いやりや優しさを出し惜しみせず振る舞えるような人でありたいと、おんたんを見ているととても思います。そういった中身の部分と「もう何言ってんの?」とツッコみたくなるようなよく分からないことを口走るコミカルさは、友達に欲しいなと思いました。いつも同じテンションで、いつも明るい気持ちにさせてくれる人がいるのはとても素敵なことだし、変わらないでいることが1番難しいことだと思うので、おんたんみたいな人がそばにいてほしいです。

◆幾田りら&あの、歌と声の演技に共通点

― あのさんは声優初挑戦、幾田さんは2度目の声優挑戦となりましたが、今回での演技を通じて、歌うことと似ていると感じた部分はありますか?

あの:似ている部分は声が全面的に表現になるところ。声優をするまでは知らなかったんですけど、リズム感や言葉の置き方、強弱の付け方、感情の乗せ方が意外と歌っている時とかなり似ていると演じてみて気づきました。

幾田:あのちゃんが言っていたようなリズム感やそこに出てくる音程感、ニュアンスは歌と共通していて、色々装飾することによって聞きやすくなったり、門出やおんたんなどキャラクターの感情が乗ったりするところもとても共感します。実際にアーティスト同士演じた掛け合いでもそれを感じて、特に激しいシーンの間合いや温度感のチューニングは、音楽をやっている同士だからか、すぐに合わせることができて、そういう部分でもアーティスト同士の共鳴があったのかなと思います。

― 反対に歌と違う部分を感じることもありましたか?

あの:音楽では僕の場合、正直少しずれてもテンションやニュアンスの付け方は自由にしているけど、作品では秒数が決まっていてずっと右上にタイムが出ているので、そこにタイミングを合わせつつ、掛け合いのところは計算だけではいかないリズム感も乗せながら演じたので難しかったです。音楽でもリズム感やタイム感は大切なんですけど、声優の方がより厳密かなという感じがしました。

幾田:音楽や歌は、日常生活からプラスアルファで何かを起こしたことによってできるもので、喋りと比べると非日常に寄っているというか。喋るというのは自然体なまま日常生活で使うことなので、「歌う」行為で表現することをそのまま同じように「喋る」行為で表現すると、大げさすぎたりあざとすぎたりしてしまうんです。なので、そういった自然体な喋りの中でそこに表情をつけて演技をするというのは歌と全然違う部分で難しかったです。特に、門出は内に秘めている別の思いがありながらも違うことが言葉に出ていたり、人によってコミュニケーションの取り方を変えたりするタイプの人なので、その絶妙なニュアンスをつけながらも自然体で喋るのは難しいと感じていました。

◆幾田りら&あの、2人で苦戦したシーンとは

― そういった歌とは違う難しさを感じる中で、苦戦してしまった、何度も録り直したというシーンはありましたか?

あの:特に前章で「普通に早口すぎて口が回らない」「どうしてもここが言えない」みたいなことがありました。あとは、初めて走っているところや物を投げているところを声や息遣いだけで演じて、俳優さんの演技ともまた少し違うのが難しかったです。「走っている感じで」という指示で、自分なりには演じたものの、たくさんの方がいる中で演じるのはどうしたら良いか分からなくて…。ただ、それもとてもチャレンジだったので楽しかったです。

幾田:テイクを録り直したところは、絵にもセリフにもない喧嘩した時に出る音、殴られた時、殴る時に出る音を声だけで演技するところも含めた長い尺の喧嘩のシーンでした。そこはセリフの言い方のディレクションというよりは「もっとこうした方が自然に喧嘩している雰囲気が出るよ」というように何度もアドバイスしてもらいました。やっぱりあのちゃんと2人で同時に録っているので、どちらかが少し間違えてしまったり、私が噛んでしまったりすると録り直しになるので、1テイクで全部録り切ることはとても大変でしたが、挑戦のしがいがあって楽しかったです!

後編では、お互いの第一印象からコラボレーション楽曲の制作の裏側、それぞれが「絶対」だと思える存在について語ってくれた。(modelpress編集部)

◆幾田りら(いくた・りら)プロフィール

2000年9月25日生まれ、東京都出身。シンガーソングライターとして活動。2021年に元E-girlsでシンガーとして活動する伶に自身初の楽曲提供を行い、自身もフィーチャリングで参加。さらにmilet×Aimer×幾田りら『おもかげ(produced by Vaundy)』にコラボ参加し、『THE FIRST TAKE』の歌唱でも注目を浴びた。2022年1月には、ABEMAオリジナル恋愛番組『今日、好きになりました。』への書き下ろし楽曲『スパークル』を配信リリースし、ストリーミング累計再生数1億回を突破。2023年3月には1stアルバム『Sketch』をリリースするなど、多方面で精力的な活動を続けている。

なお、細田守監督映画『竜とそばかすの姫』(2021)で主人公・すずの親友役として初の声優に挑戦し、今回の『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』が2回目の声優出演となる。

◆あの(ano)プロフィール

若い世代の女性を中心に人気を誇る「あの」。2020年9月、アーティスト名義「ano」にて音楽活動を開始。2022年4月8日にあの本人が作詞を手がけた、アニメ『TIGER&BUNNY 2』EDテーマソング『AIDA』でトイズファクトリーよりメジャーデビューを果たした。 2022年にリリースした『ちゅ。多様性』はキャッチーなフレーズと振付でブームを巻き起こし、2023年に『第65回輝く!日本レコード大賞』特別賞を受賞したほか、同年の『第74回NHK紅白歌合戦』にも出場。また、自身を中心に組んだバンド「I’s」のボーカルとしても活動している。

さらにモデルプレスでは、他に類を見ない唯一無二のキャラクターと、音楽活動だけに留まらないマルチな活躍を受け、2023年の「今年の顔」にも選出している。なお、今回の『デッドデッドデーモンズデデデデデストラクション』で声優初挑戦となる。

【Not Sponsored 記事】
《モデルプレス》

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