素肌を積極的に見せるようになったビリーは、あからさまに性的に消費される機会が多くなる。SNSで「Billie Eilish」と検索すれば体型があらわになったビリーの写真が上位に多数上がり、ドレイクのアルバム「For the Dogs」にはフィーチャリング参加したリル・ヨッティが「彼女はビリー・アイリッシュみたいな巨乳」とラップする「Another Late Night」が収録された。その是非については議論の余地があるが、彼女自身はこのことを「気にしたことがない」と明かしている。体型についてとやかく言われたくなかった彼女が、それを過去のものとして新たな可能性を広げたのだ。
◆「What Was I Made For?」と共に迎えた新なフェーズ
そんな紆余曲折を経たビリーは、女性の体の権利についてメッセージを提示する「バービー」のために「What Was I Made For?」を書き下ろした。ビリーと兄フィニアスは、完成前の映画を見て感動し、一夜にして曲の大部分を完成させたという。理想的な女性の象徴でもあるバービーが「私は何のために作られたの?」と自身の存在価値について自問自答する同曲。MVでは、ビリーがミニチュアになった歴代のレッドカーペット衣装を並べたあと、箱の中にしまい込んでしまう姿が描かれた。