赤楚衛二「ガラッと変わりました」 激動の1年半で変化した芝居への姿勢 不安・焦り…“極限な状態”も振り返る<「E」インタビュー> | NewsCafe

赤楚衛二「ガラッと変わりました」 激動の1年半で変化した芝居への姿勢 不安・焦り…“極限な状態”も振り返る<「E」インタビュー>

芸能 モデルプレス/ent/wide/show3
モデルプレスのインタビューに応じた赤楚衛二(C)モデルプレス
【モデルプレス=2024/03/09】14日にインタビュー&フォトブック『E』を発売した俳優の赤楚衛二(あかそ・えいじ/30)がモデルプレスらのインタビューに応じた。多数の作品に出演した2022年9月から2023年11月までの激動の日々を追いかけた今作は、赤楚本人も「ここまで心情を吐露する機会はなかなかない」とコメントするほど、実に9回にもわたって行われた完全独占インタビューで赤裸々な言葉が綴られている。初の朝ドラ出演作となった連続テレビ小説「舞いあがれ!」(NHK)や、地上波民放GP帯連続ドラマ初主演作「こっち向いてよ向井くん」(日本テレビ系)など、大きな節目を経験した日々で「お芝居に対するスタンスがガラッと変わりました」と語る成長とは。主演ドラマ「Re:リベンジ-欲望の果てに-」(フジテレビ系木曜劇場/4月11日スタート毎週木曜よる10時~)の放送開始を控える中、座長としての心境も明かしてくれた。

【写真】赤楚衛二、黒スーツで表現した1年半の変化

◆赤楚衛二、インタビュー&フォトブック「E」

今作は1st写真集『A』に続く作品で、完全独占インタビューが軸となる作品。「石子と羽男―そんなコトで訴えます?―」(TBS系)、「舞いあがれ!」、「風間公親-教場0-」(フジテレビ系)、「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」(TBS系)、「こっち向いてよ向井くん」と休む暇もなくGP帯ドラマに出演した期間中、作品や役柄によって葛藤し成長する赤楚の生の声が綴られていることで、読者も約1年半の期間を追体験できるような1冊となっている。

また赤楚の発案による企画「同じスーツを着て撮り重ねる写真撮影」が制作期間内5回行われ、それぞれで見せているまったく違った風貌・表情も見どころ。新たな感覚を求める赤楚が「伝統」「言語」「宇宙」の視点から出逢った玄人たちとの対話も収録され、ひとりの人間・赤楚の“ありのまま”を存分に感じることができるだろう。

さらに、発売を記念して2月から4月にかけて「赤楚衛二『A』×『E』写真展2024」が全国4会場で順次開催中。オープン前日に写真展を訪れた感想も明かしてくれた。

◆赤楚衛二、約1年の密着作品は「恥ずかしいなという気持ちもある」

― 1年半密着されての撮影でしたが、実際に完成した作品と写真展を見て一大企画の集大成を目の当たりにした今の率直なお気持ちをお聞かせ下さい。

赤楚:最初に作るタイミングでは「いつ(完成)になるのかな」と言っていたんですが、意外とあっという間だったなと思います。僕はどちらかというと前向きで明るい作品になると思っていたんですが、想像以上に深い暗いところまで話していて、形としてはいびつなものではあるかなという印象を受けました。自然と作り上げられていたものがこういう形だったので、恥ずかしいなという気持ちもありつつ、頑張ってきたから見てもらいたいなという気持ちが強いです。

写真展にも行かせて頂いたんですけど、映像も流れていて僕の声が響いてかつ周りは僕(の写真)だらけでちょっとおかしくなるかなと思うぐらいびっくりしました(笑)。最初の写真集『A』から今回の『E』までの写真がいっぱい並んでいたんですけど、その時々によって顔付きが違って時の流れを実感できたので見てもらえる方も楽しんでもらえるんじゃないかなと思います。

― 同じスーツを着ての撮影も興味深かったですが、ご自身は1年半のどんな変化を感じていますか?

赤楚:だんだん「A」から「B」に変わっていくというよりも、「A」になった数ヶ月後に「C」になって今後「B」になって…と不規則に変わっていっているのでどう変わったかというよりも本当に数ヶ月ごとに全然違う顔だなと思いました。演じている作品によって影響されていたと思います。

◆赤楚衛二、芝居でガラッと変わったスタンス

― 1年半を振り返って、ご自身について何か気づきがあったら教えて下さい。

赤楚:それまでは主観でしかお芝居ができなかったのに、今じゃ逆に主観でお芝居できなくなっちゃうぐらいスタンスがガラッと変わりました。それが良いことなのか悪いことなのか分からないんですけど、今の自分には合っているなと思ってそこを気づけただけで苦しくないですし、私生活にあまり左右されることもなくなったので割と大きな変化だったかなと思います。だけど、これで平均点を出せるようにはなったのかもしれないんですけど、もしかしたら渾身の一撃みたいなお芝居をするには頭で考えることを捨てて感覚でやらないといけない時期が来ると思うのでそういうときにまた壁にぶつかるんだろうなとも思っています。

― それは複数の作品を通してですか?具体的にどの作品のどの役柄でこう悩んだからここが変わったというものがあれば教えて下さい。

赤楚:2022年いっぱいは主観でやっていて、自分の感じている顔と表情が一致してないときがあってそれが正解なようにも思えてなかったんです。「こういう感情だからこういう顔のつもりなんだけどな」というのにズレがあって、表現なのでそこは修正していきたいなと思いました。あとはずっと役のことを考えるのが無理になってしまって、「舞いあがれ!」のタイミングぐらいから変えるチャレンジを始めて、「教場」 あたりで「こういうことなのかな?」というきっかけがありました。

― それを経て周りの人からの評価や反応が変わった部分はありますか?

赤楚:「良くなったね」と言ってくれる方は増えました。だから自分が気持ち良くなって出したいものを出すのと、作品としての見え方というのは別物なんだなと思いました。

◆赤楚衛二、自身の“荒ぶり期”告白

― その変化が起きてきた中で、ご自身で写真を見て、同じスーツだからこそ浮かび上がってくるものはありますか?

赤楚:当時の心境と忙しさもあるし、体重の増減で結構パツパツになっているときもあれば本当に痩せているときもあれば目がちょっと血走っているときもあるので結構変化はあったかなと思います。特にモノクロ写真がある2023年5月はマネージャーさん曰く“荒ぶり期”だそうで、僕は普段攻撃的になることはあまりないと思うんですけど、その時期は靴下を脱ぐときに絡まってほどく動作を思いっきりパーンとやっていたみたいで「荒ぶってるね(笑)」という感じだったそうです。ハードさとお芝居が変わる時期というところで不安定にはなっていたので自分でもコントロールしづらいものを最小限に抑えようとずっと悶々とした気持ちが溢れ出ていたので自覚はあるっちゃありますね(笑)。

― お話を聞いていると荒ぶっている時期があったのが想像がつかないくらいフラットで冷静なイメージなんですが、気持ちをフラットに保つために意識していることはありますか?

赤楚:諦めです。これは悪い意味じゃなくて理想を持ち過ぎると結局理想の自分と現実の自分に比較対象が生まれてしまって、できなかったときに落ち込んでしまう繰り返しなので、「自分は自分でしかないんだ」と諦めた途端にフラットになりました。

― 考えが変わったきっかけはありましたか?

赤楚:色々な場所で言っているんですけど、コロナ禍の緊急事態宣言のときに、それまでの自分がずっと嫌いだったんですけど「やることはやってきたよね、頑張ったよね」と褒めてあげたら自分のことが嫌いじゃなくなりました。フラットでいると「今の自分ってこうなんだ」と冷静に受け止められるようになって、演技においても客観的な視点を持てるようになったのかなと思います。

◆赤楚衛二「極限な状態」不安や焦りを感じていた時期

― 「ここまで心情を吐露する機会はなかなかない」とコメントされていましたが、これから本を読む読者に向けて、特に「こんなことは初めて話した」という内容があれば教えて下さい。

赤楚:言葉にするときって考えて話すから言い方1つで結構ポジティブに聞こえたりするし、割と今までポジティブなことしか言ってなかったんですけど、結構不安とか焦りとかそういう負のエネルギーのインタビューを出すのが初めてなので、ちょっと意外に思う方もいるかもしれないですし、「人間だもんね」と思うかもしれないですし、意外と僕のリアルに近いものをお届けできるのかなと思いました。

― 自分で読み返して「こんなこと言っていたんだ」ということもありましたか?

赤楚:ありました。その時期は考えて話すとか取り繕って話そうということができないくらい極限な状態のタイミングで生の状態で話していて、自分で読んでも意外でした。

― そのときのことは鮮明に覚えていらっしゃるんですか?

赤楚:あんまり覚えていないです。読んでみて「うわ、こんなこと言っていたんだ」とちょっと恥ずかしいですもん(笑)。あんまり見せる必要がないかなと思っている部分まで見せてしまっている可能性はあるかなとも思いつつ、それもまた1つだなと思います。

◆赤楚衛二、同じスーツを着て撮影

― スーツにしたのはこだわりがありましたか?

赤楚:何か1つのものを追いたいという話になって考えたときに、デニムや革ジャンが好きなので調べている間に経年変化という言葉が出てきてそこから思いつきました。最初はデニムのセットアップでやってみようかという話になったんですけど、 デニムだとすでにものによって形が決まっているけど、スーツの方が着方によって変えられて、ボタン1つで表現が広げられると思ってスーツになりました。

― かっこよく見せるために撮影現場で工夫されたことや仕草など印象的なエピソードはありますか?

赤楚:例えばブランドの撮影だったらかっこよく着ようとか、役のときは役に入り切ってとかあると思うんですけど、今回は完全に自分そのままで良いということで撮影は全部その日の気分でやっていて、全く気にせず撮りました。

― 普段からスーツに馴染みはありますか?

赤楚:あんまりないんですけど、これはずっとお借りしていてプライベートでも知り合いの結婚式のときなどに着させて貰いましたし、馴染むようにしていましたね。

― プロフェッショナルな3人の方との対談も興味深く読ませて頂きました。そこから刺激を受けたことや俳優業に活かせることはありますか?

赤楚:俳優業は役によって全然アプローチが違うので活かせるかは分からないんですけど、見る世界は変わりますよね。例えば、江戸切子の技術とか想いを知るとすごく素敵なものに見えるし、そういう意味で見る世界が3つ増えました。例えば建築系の人だったら壁の素材とか気になると思うんですけど、知らなかったらそういうことに興味ないと思うし、見えている世界が違うので、色々なことを知っていくとその分世界が楽しくなるんじゃないかなと思います。

◆赤楚衛二、座長としての意識とは

― 「向井くん」なども経て座長としての心持ちの意識は変わりましたか?

赤楚:やっぱり「向井くん」のときは足りないことだらけだなと感じたので、「Re:リベンジ-欲望の果てに-」では「向井くん」でできなかった配慮をしていきたいし、周りを見ることが大事なんだなと思ったので現場を活気づけられるようにとにかく差し入れをいっぱい入れようかなと思っています(笑)。

― 真ん中に立つために必要なことは何だと思いますか?

赤楚:立つと言っても“立たせて貰っている”という感じが強くて、主演の在り方は多種多様だと思うんですけど、「スター」と呼ばれる人たちは引っ張る力があって僕らは引っ張って貰っているような感覚になります。僕の場合、周りがいなければ自分も立てないし、支えて貰っていると思うので、真ん中に立つためにはというよりも周りに感謝しつつ、「この人が主演で良かったな」と思って貰えるにはどうすれば良いんだろうということを考えるぐらいしかできないですかね。

◆赤楚衛二、プライベートで金髪にした理由・2024年に受けた刺激

― インタビューの中で「2020年頃からやってみたいことが増えて、髪色チェンジもその1つ」とおっしゃっていましたが、きっかけは?金髪にしてみていかがでしたか?

赤楚:「ゾン100〜ゾンビになるまでにしたい100のこと〜」(Netflix)という作品をやってエネルギーが満ち溢れてやりたいことをやってみようと思うようになりました。金髪は「意外と良いな」と思って、20代のうちにやっておきたかったというのと、今後しばらく役で金髪にすることはないだろうと思って染めてみたので、変化というよりは「また染めてみたいな」という気持ちが湧いたのと、美容院って楽しいものなんだと改めて気づけました(笑)。やっぱり職業柄役のために切ることばかりで、そういうときは「ここ3センチ切って下さい」という指示ばかりなのであんまり楽しくはないんです。だから金髪にしたときは「どうします?」と聞かれて自分の好みを伝えること、そして叶うことが本当に楽しいんだな、美容院ってエンターテイメントなんだなと思いました。

― 今作は赤楚さんの2022年から2023年が凝縮された1冊でしたが、2024年に入っての変化やお仕事で刺激を受けた出来事を教えて下さい。

赤楚:LOEWE(ロエベ)さんのコレクションでパリに行かせて頂いたことですね。初パリですし、コレクションも初めてだったのでファッションの情熱を感じて、役者ではありますが着て何かを表現することも面白いなと気づいたので刺激を受けました。そして、今撮影しているドラマも、監督とプロデューサーさんと話し合っていると隙が1つもないぐらい完成されている作品なので刺激を受けていてめちゃくちゃ面白いです。チーム一丸となって楽しい現場になっているし、その次の作品もそうだと思うので僕自身は役を演じることを去年以上に楽しめる1年になりそうだなと感じました。

― パリで何か感じたことはありましたか?

赤楚:街と歩いている人がオシャレなので、「これがパリジェンヌか!」と思いました。それで細身のパンツとか革靴とか、パリジェンヌの服装を色々勉強したんですけど、日本で同じ服装を見ても感じ方が違ったので、やっぱりパリの街の背景がオシャレだったんだなと感じました(笑)。

◆赤楚衛二、ファンへの想い「そのままでいて欲しい」

― この一冊を振り返っても常に作品に出られているイメージがありますが、実際にファンの方が増えている実感はありますか?

赤楚:いや、ないです、ないです。「チェリまほ」(「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」)で海外の方も含めてあのときの熱量がとてつもないものだったので、そこから増えているのかあまり実感はないですね。もちろん直接イベントでお会いすることができて人数を認識してちゃんと熱量を持って下さることは感じます。

― 赤楚さんから見てファンの方はどう見えますか?

赤楚:熱量が高い方が多いんですけど、イベントをやらせて頂いたときもマナーなどがすごくきっちりされていて素敵な方たちだなと思います。

― 海外の方はどうですか?

赤楚:(熱量が)半端ないですね!日本だと拍手するところを、ブワーッと大声でレスポンスを返してくれるのでパワーをもらえます!外国語のこともあるので、ちょっとずつ勉強しようかなと思います。やっぱりコミュニケーションを取るには言語だなと思うので。

◆赤楚衛二、20代で演じたかった役・30代で演じたい役は?

― もうすぐ30代を迎えるということで、20代の内にやりたいことは全てやりきりましたか?

赤楚:多分やったと思うんですよ。だから悔いがないです。滝行だけは唯一行けてないんですけど、20代の内にしておきたいというわけじゃなかったので20代の内にやっておきたいことは今のところ見当たらないです。

― 20代で演じておきたかった役はありましたか?

赤楚:ヤンキー、やってないです。家庭環境が悪いちょっと不良の役は演じたことがあるんですけど、学生モノのヤンキーは全くやってこなかったですね。

― 30代でやりたい役は?

赤楚:若パパ…でも「舞いあがれ」でもやったからなあ。そうなるとポジション的に上司とかになってきますかね。今のところ新卒とかが多いんですけど、ちょっとずつ役の中で偉くなりたいです(笑)。

― ありがとうございました。

◆インタビューこぼれ話

記者数人に囲まれる合同取材では自身のスマートフォンから「スター・ウォーズ」の音楽を流しながら登場するという小ボケを披露しながら登場し和ませてくれた赤楚。常に穏やかな印象の赤楚だが、自身でも「恥ずかしい」と照れ笑いするほどポジティブな感情だけではないネガティブな感情も吐露していると話す『E』では、より人間的な魅力が滲み出ており、ファンにとっても見たことのない姿が見られるはずだ。(modelpress編集部)

◆赤楚衛二(あかそ・えいじ/30)プロフィール

1994年3月1日生まれ、愛知県出身。2017年9月にテレビ朝日系「仮面ライダービルド」に出演し、2020年、主演を務めたテレビ東京系ドラマ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」をきっかけにブレイク。主な出演作に映画『思い、思われ、ふり、ふられ』(2020)、『妖怪大戦争 ガーディアンズ』(2021)、『決戦は日曜日』(2022)、ドラマ「彼女はキレイだった」(2021)、「SUPER RICH」(2021)、「WOWOWオリジナルドラマ ヒル」Season1(2022)、「石子と羽男ーそんなコトで訴えます?ー」(2022)、NHK朝の連続テレビ小説「舞いあがれ!」(2022~2023)、「風間公親-教場0-」(2023)、「ペンディングトレイン―8時23分、明日 君と」(2023)、「こっち向いてよ向井くん」(日本テレビ系)など。4月11日スタートのフジテレビ系木曜劇場「Re:リベンジ-欲望の果てに-」(毎週木曜よる10時~※初回15分拡大)で同局系初主演を務める。映画『もしも徳川家康が総理大臣になったら』の公開を7月26日に、映画『六人の嘘つきな大学生』の公開を11月22日に控える。

◆クレジット

ヘアメイク:廣瀬瑠美
スタイリスト:壽村太一

【Not Sponsored 記事】
《モデルプレス》

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