特にタイトル曲の「Under the skin」では、彼らが心の中に秘めている世の中に対する不安、自分自身が変わりたいという思いに気づくという部分が歌詞やパフォーマンスに盛り込まれており、Aメロで「別に不満なんてないんだけど」と、はっきりとわからないもどかしさを吐露しつつ、「そうだ 気付いた 僕の心が叫ぶんだ今」からダイナミックに自身の心の声を叫び、同じ思いに共鳴する仲間を探しているというサビへとつながっていく。
また、「誰もが言う普通でいろと 周りに合わせ目立ったりするななんて I don’t care」と静かな決意を固めると、「だから僕は僕が僕であると証明」と力強いボーカルで再び心の声をタイトル通り”Howling”(咆哮)する。現代に生きる人々が抱える、いまの生活に不満はなくとも「何かがおかしい」と世の中に対して漠然と感じている不安や、そんな中でも自分は変わりたい、変わる勇気で一歩踏み出したい、そして同じ思いを持つ仲間と出会い繋がりたいという根源的な欲求と、自分の個性も他者の個性も尊重して「自分」を証明して生きていきたいという現代の価値観を代弁しているといえるだろう。
聞けば聞くほどその世界に共感し、自分と重ねてしまう部分を発見しては繰り返し心に刺さる音楽は、TikTokを通じて世界中の若者から支持を得ていることは各国から投稿されているダンスチャレンジ動画を見れば明らかだ。パフォーマンスでは、2サビ終わりからJOが1人さまよいながら倒れこみ、“I’m right here”と歌う部分でリーダーのEJが手を取って引き上げるシーンに孤独の中から仲間を見つける様子が表現されており、サビの「目覚めてくunder the skin」の振り付けでは細胞の中から湧き上がる叫びだしたい感情が読み取れる。