ツルツルの壁や垂直のガラス面にピッタリと張り付く"自然界のクライマー"は数多いが、なかでも不思議に思えるのがヤモリだ。両生類のイモリやカエルと違って体表が潤っているわけでもなく、吸盤らしき"足跡"もなし…いったいどんな仕組みでこれほど見事に吸着できるのか。
近年、その謎の構造が"ファンデルワールス力"という凝集力によるものと解明された。耳慣れない言葉だが、かいつまむと「1本の足の裏にある約50万本もの剛毛が接着面積を最大化し、体重の負荷を分散させ、自身と接着面との間に働く引力を指数関数的に増加させる」…ということらしい。説明を読んでも門外漢にはいまいちピンとこないが、新しい接着剤やテープの開発に仕組みが応用されているというから、こちらは期待したいところだ。
…と、そんなヤモリ情報はともかく、NewsCafeのアリナシコーナーには「家にヤモリ…アリかナシか?」という調査希望テーマが寄せられた模様。アンケート結果とともにさまざまな意見をご紹介しよう。
【アリ…42%】
■いるいる!
■台所の窓に出てきます。指先が丸くてかわいい。
■無害で、害虫を食べてくれますので、かわいいデスネ!!
■犬猫アレルギー持ちなんで、夏の風物詩に眺めるのが恒例です。
■田舎なので時折見かける。ムカデ・ゴキブリに比べりゃ大したことない。
■東京外れのマンション4階ですが網戸に1匹へばり付いてる。
■さっき発見、初めて見た。皆さん、いる家も多いんですね。
■ヤモリを粗末にすると罰が当たります! 見かけたら優しく見守ろう。
■窓の向こう側をペタペタ歩いてるの見てるとかわいくなってくるよ。
■ヤモリは家守っていうよ。いるお宅が羨ましい、爬虫類好きです。
【ナシ…58%】
■蜘蛛はでるけど、ヤモリは見たことがない。
■実家にはいるらしい。見たことないけど。
■見つけたら可能な限り外へポイッ!
■嫌なんだけと毎年出るよ。
■1匹いたけど、外見がムリ。外に逃がしちゃった。
■家にヤモリ? 地方や田舎って…よく平気で住めるね…勇者だわ…。
■俺も地方の田舎に住んでいるが、ヤモリなんて見たことがない。
■北海道はヤモリはいませんね。
■田んぼの側溝にはうじゃうじゃいるが家に来ない。悲しいよー…。
■ヤモリが住んでくれるなんて羨ましい。うちにも来てほしいなぁ。
この質問では「自宅周りのヤモリの有無」を調査したいのか、「自宅周りにヤモリがいるのを良しとするか否か」を調査したいのかがわからないため、ユーザーから寄せられた回答も二派に分かれているが…。数字は【ナシ派】約6割となっている。つまり自宅周辺に「ヤモリがいない」人、もしくは「ヤモリはいるが迷惑している」人が多数派だ。「雨戸を閉める時に侵入。そのまま行方不明。どこへ(涙)!?」「しかも、雨戸閉めた時に落ちてきて背中に入った!」「ゴソゴソと音が聞こえるとドキッとするけどね」などのコメントが多数寄せられた。
一方の【アリ派】で多かったのは、自宅周りにヤモリが生息しているか否かはともかく「ヤモリは"家守"、大事にしないと」という意見だ。現実に、ニホンヤモリなどは人家内外の害虫を捕食することで生きており、人間に対しては臆病で攻撃性が低く、能動的な咬害や食害を与えることもない。
見た目の好き嫌いはどうにもならないが、不快生物として扱うには気の毒だ。ヤモリが苦手だという人も、家の外に逃がす程度に留めてあげてほしいものである。
[文・能井丸鴻]
《NewsCafeアリナシ》
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