何に関してもやっぱり掃除は面倒だ。 やればすっきりする。でもついつい先延ばしにしてしまう。 それでも自分の愛用品くらいは小まめに掃除しないと意外なところで大変な事態が起こる・・・そんな事例がアメリカ・アトランタから報告されている。 アトランタ在住の68歳のとある男性が病院へ診察を受けに言った。咳と「ぜーぜー」という息苦しさが一年ほど続いていたからだ。 単なる風邪なら一年も続くはずはない。このくらいの年齢の呼吸器系統の病気は下手すると命の危険もある。 まるで肺炎のような症状が一年も続くことに医師は懸念を示し、吸入器やステロイド、抗生物質を試すが改善しない。 「抗生物質も効かないし、ステロイドもだめ。はて・・・」 こうなったら日々の生活から原因を探るしかない。 「あなた、何か日々の中で習慣的にやっていることはありますか?趣味とかでいいですけど・・・」 「ああ、クラリネットを吹いているんですよ。一週間に数回ね」 「あ、まさか!!」 ''クラリネット''という言葉に反応した医師はすぐさまこの男性に胸部X線を撮らせると・・・肺に粘液やら何やらでまみれているのだ。 実はクラリネットを含めた吹奏系楽器はカビが繁殖しやすく、楽器を演奏する際にカビを吸い込んでしまうことがあり、これが過敏性の肺炎を引き起こすことがある。実際に管楽器のプレーヤーならわかるが、掃除をしていないと楽器の内部は悲惨なことになる。だから小まめな掃除が絶対に必要なのだ。 しかしこの68歳の男性患者の愛用クラリネットはなんと 30年間も掃除していなかったのだ。 これではとんでもなく菌が繁殖するのも当然、それで病気になるのも当然なのである。 その後、米エモリー大学が調査した結果、この男性のクラリネットのリード部分(音を出す部分)からはエクソフィアラという病原性を持つ菌が発見されたという。 このエクソフィアラ、通常では腐敗土や腐りかかっている木などから検出されるものだが、そんなレベルの菌が愛用クラリネットから出るなど持ち主本人も想像していなかっただろう。 「自分のクラリネット、中身を覗いてみたら腐敗の森だった」というわけだ。 クラリネット、こんなレベルになるまでなってしまったら掃除もなにも、廃棄した方が身のためだろう。 こうした吹奏系楽器による「呼吸器異常事態」はなにもこの件だけが特別なのではない。 以前にもバグパイプ(イギリスの民族衣装を着た男性が吹いている大きなパイプ)を演奏する78歳の男性が自分のバグパイプが原因で肺感染症に罹り、死にかけるという事態になっている。 きっと愛用バグパイプから「色々なモノ」を吸い込んでしまったのだ。 「とにかく、とにかく楽器は小まめに掃除・殺菌してください!!」 と研究者や医師も警鐘を鳴らしている。 ところで心配になるのは小学生のリコーダーや中学高校の音楽室にある楽器である。 「まさか最近子供がゴホゴホいっているのは・・・」と心配になる親たちが出てきてもおかしくはない。 【執筆者:猫紫】 参照:Daily Mail http://www.dailymail.co.uk/health/article-2500474/Clarinet-player-didnt-clean-instrument-30-YEARS-develops-saxophone-lung-fungus.html The Huffington Post http://www.huffingtonpost.com/2013/11/08/saxophone-lung-clean-clarinet-instrument-woodwind_n_4221368.html (※PCサイトです)
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