先日、ある友人と話していて、夫婦の話題になりました。
彼は30代半ばの愛妻家。趣味であるテニスの大会に奥さんと一緒にダブルスで出場すると、世の中には偉そうな夫が多いことに驚くのだそうです。
「他の夫婦ペアを見ていると、たいてい夫のほうが『動け』『取れ』『ポジションが違う』と一方的に指示してるんです。時にはコート上で怒り出したり。僕から見れば『下手なのはあんたのほうだよ』と思ってしまうんですけどね(笑)」
尊大な夫と仏頂面の妻というペアが多い中、彼は奥さんに優しく声をかけ、プレイ面でもサポートに徹します。その後彼の奥さんは、トイレで他の奥さんと会い、驚かれたのだとか。
「あら、あの人ダンナさんなの?ダンナさんなのに、あんなに優しいの?」
その女性の中では「夫=偉そうでうるさい人」というイメージが出来上がっているのでしょう。優しく声をかけあっているふたりを見ても、夫婦とは思えなかったというわけです。
「僕なんて、むしろこういうところで、日ごろのために点数を稼いでおこうと思うんですけどね(笑)他の夫はそう思わないんでしょうか?」とは友人の弁。
このエピソードを聞いて、いかに夫婦(とくに年配の世代)のコミュニケーションがゆがんでいるか考えさせられました。実際、電車の中などでも、奥さんに対して横柄に振る舞う夫という構図はよく見かけますよね。
ある研究結果によれば、「幸せな結婚生活を送る夫婦の多くは、互いに5回褒めて1回助言している」そうです。「ほめて伸ばす」「人前で叱りつけない」などは、もはやビジネスコミュニケーションにおいては常識。彼らにしても、もしかしたら会社では先導・実践しているのかも。それなのに、です。
夫婦といえども、結局は人間関係。気持ちよく過ごすためのコツ・工夫・心がけは、ほかの人間関係と変わりません。「家族には、気をつかいたくない」と考える夫たちの将来が気になるばかりです。
[ライター五百田達成/「恋と仕事のキャリアカフェ」主宰、オトナ女子の恋愛・結婚・仕事の悩み相談を受ける恋愛カウンセラー。TBSバラエティ番組「私の何がイケないの?」にも出演。著書「特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ」(五百田達成・堀田秀吾著クロスメディア・パブリッシング刊)が13万部を突破。第二弾となる新刊「子猫と権力と×××」を3月に発売。詳細はオフィシャルブログ(http://ameblo.jp/iota-s/)まで。]
[photoby:re-ality]
《NewsCafeコラム》
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