先日、ある洋食屋さんに入ったところ、そこで「男子会」が繰り広げられていました。
隣のテーブルにいたのは20代後半とおぼしき男性ばかり3人。どこかのイベントの帰りらしく、服装はカジュアルです。お店が紹介されているグルメマンガを広げながら「どれにする?」「まずはこれでしょ」と仲良くオーダー。乾杯の時には「なんだかすみません、僕の趣味というか、ワガママにつきあってもらっちゃって」と幹事があいさつ(ということは、長いつきあいではないのか?)。
その後も、メニューを吟味し、時折料理の写真を撮ってはそれらをSNSにアップし(たぶん)、楽しく食事が進みます。
会話の内容も、カメラの最新機種はどれがオススメか、に始まり、今度はどこの店に行こうかというグルメトークや、メンバーのうちのひとりの彼女の話と、話題は実に豊富。押し黙ったり、口論したりすることなく、興奮気味にずーっとおしゃべりが絶えません。
そのきゃぴきゃぴした光景はまさに女子会ならぬ「男子会」。仕事の話や自慢話はせず、ただひたすらカニクリームコロッケやビーフシューに舌鼓を打つ。「野郎飲み」とはほど遠い雰囲気でした。
よく「女性がお茶したり女子会を繰り広げたりしている間、男子連中はいったい何をしているのか」という議論になりますが、たいてい「仕事している」「家でyoutubeを見ている」「汚い居酒屋で飲んでる」などという結論になりがち。ですが、男性たちの間でも、こうした他愛のないおしゃべりを大切にする人が増えているのだなあと実感しました。
その昔、グルメ情報といえば女性の専売特許でした。雑誌をチェックし食べ歩きをし、とおいしいお店をよく知っている女性たちとのデートする時、男性たちは苦心してお店情報を集めたものです(時には先輩に頭を下げて教えてもらったり)。
ところが現在は、グルメサイトの充実に伴いかえって男性のほうが詳しいぐらい。ワイン好き、食べ歩き好きを標榜する男性も珍しくなくなりました。
女子会好きの女性たちは「女性同士のほうが、話題も合うし、気兼ねしなくて楽しい」と言いますが、まったく同じ構図が男性たちのなかでも生まれてきている様子。
男性は男性同士で楽しみ、女性は女性同士で楽しむ。となれば、恋愛はますますすたれる一方。最近あなたは、異性とふたりっきりでデートしましたか?
[ライター 五百田達成/「恋と仕事のキャリアカフェ」主宰、オトナ女子の恋愛・結婚・仕事の悩み相談を受ける恋愛カウンセラー。TBSバラエティ番組「私の何がイケないの?」にも出演。詳細はオフィシャルブログ(http://ameblo.jp/iota-s/)まで]
[photo by:eflon]
《NewsCafeコラム》
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