圧巻の日本レコード決着 | NewsCafe

圧巻の日本レコード決着

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電光掲示板に映し出されたタイムを見て場内に異常な歓声が上がった。1分56秒1。この日の東京競馬場は2歳未勝利や特別戦で好タイムが続出するなど非常に速い馬場状態ではあった。しかし、それを差し引いてもまず考えられないような日本レコードで第120回天皇賞・秋は決着を迎えた。

スタートからレースを引っ張ったシルポートの1000m通過は56秒5。後続もそこまで離れることはなく2番手グループの1000m通過は推定57秒台。6着のエイシンフラッシュまで1分56秒台でゴールする時計通りの非常にタフなレース内容となった。

勝ったトーセンジョーダンはこれまでにG1勝ちはゼロ。2歳時にはクラシック候補と騒がれた器だが骨折の影響で3歳シーズンは思うようなローテ-ションが組めなかった。前走の札幌記念を制してはいるが、このメンバー相手では厳しいのでは? との見方が正直な所ではあった。

今回の勝利は馬の成長もあるが鞍上のN・ピンナ騎手の手腕によるところも大きい。まだ23歳と若く外国人騎手とはいえ経験不足な面はあるが、馬を「追う」技術は相当なものを持っている。先週のブラジルCでのインバルコの騎乗でも道中から追っ付け通しで直線ではきっちりと差しきっている。

本来2000mよりも2400m以上のほうが適正を感じる馬でありジャパンカップはより持ち味が活きるかも知れない。ただしこの激走の反動は大丈夫なのか? 体質が丈夫になったとはいえ今回の馬場は脚元に良いわけがない(出走した全馬に言える事だが)。

2着のダークシャドウは目下の充実ぶりがはっきり分かるこちらも強い内容。前走の毎日王冠でみせた脚は本物だった。2000mがベストのような気もするがジャパンカップでも期待が持てる。3着のペルーサは後方策から直線一気。昨年とは馬が違い直前の追い切りでも藤沢厩舎にしては珍しく強めの調教を施していた。3着という結果に終わったが伸びしろは十分。こちらも次走のジャパンカップが楽しみになった。

1番人気に支持されたブエナビスタは国内では初めて馬券圏外となる4着に終わった。評価が分かれるところではあるが、能力減は無いと判断したい。今回は決してスムーズな競馬だったとは言えず内の苦しい位置から伸びてきている点を評価したい。

先週の菊花賞に続きG1にふさわしい中身の濃いレースが続いたのはうれしい限り。こういう競馬をみて面白くないと思うファンはいない。ジャパンカップには今年の凱旋門賞を制したデインドリームも参戦する。久々にワクワクする秋のG1シリーズから目が離せない。
《NewsCafeコラム》
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