日刊ゲンダイ編集部には「心配なので、自分の家も測ってほしい」「学校の校庭が芝生になっている。ぜひ、調査してほしい」といった声が届いているという。
こうした心配が理解出来るのは、ガイガーカウンターを持って歩いていると、少しポイントがずれるだけでも相当変化することがわかるからだ。
たとえば、6月21日午後3時ごろ、新宿・歌舞伎町を歩いていた。
多くの地点(地上1メートル付近)では0.1μSv/hを超えることはないが、あるポイントに来ると、0.13μSvを超えたりする。
また、日にちが変わると、線量も変化する。
自宅付近でいつもなら、0.14μSv/hを超えるところが、この日は、0.1μSv/hを超えなかった。
風向きや風の強さなどでも変化するということだろう。
それは、原発から近い地域でも、一様ではない、という意味では同じ事が言える。
6月12日のことだが、南相馬市の市役所付近では、0.18μSv/hを超えることなかった。
しかし、住宅地に入ると、いきなり、1μSv/hを超えたりする。
風がほとんど吹かない地点でもあるために、線量が溜まりやすいのだろう。
特に、ある住宅の側溝付近は3μSv/hを超えてしまっていた。
その住宅では、側溝で子どもが遊んでいたが、線量を聞いて、「水洗いして除染する」と話していた。
測っていると、どんな場所が高い可能性があるポイントなのか、わかるようになってきた。
例えば、コンクリートやアスファルトよりも土があるところのほうが高いと言える。
また、植物の葉っぱに放射線が溜まりやすいと言われているが、木の影のほうが高い。
例えば、東京武道館(足立区)でも植物の茂みがない側溝(地上0メートル)では0.14μSv/hだったのに対して、植物の茂みがある側溝(同)は0.48μSv/hだった(6月14日午後2時ごろ)。
とはいっても、すべてにその『法則』が当てはまらない。
放射線が均等に降っているわけではないので、同じ条件でも、0.1μSv/hを超えなかった場所も多い。
細かい放射線量のデータを東京都でも測定し始めた。
地域の住民たちの心配の声が後押しした背景もあるだろう。
しかしポイントがズレただけでも線量が変わるのだから、心配の種は尽きない。
そのため、子どものいる家庭だけでも、ガイガーカウンターのレンタルをしてはどうか、と思う。
数値を知った上で「正しく怖がる」ことが大切だからだ。
《NewsCafeコラム》
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