原発事故以来、自分たちが住む地域の放射線量に関心を寄せる人が増えている。
先日、日刊ゲンダイの企画で、都内23区の放射線量を調査した時、よく声をかけられた。
足立区役所前の公園で測っていると、そこで遊んでいる子どもの父親が線量計を覗きにきた。
「それは放射線量ですか?どのくらいあります?」
6月13日15時53分現在、公園の空間線量(地上から1メートル)は、0.11μSv/h(マイクロシーベルト毎時)、砂場の線量(地上0メートル)は、やや高い0.12μSv/hだった。
それほど高くない数値だったが、
「低いですか?安心しましたが、放射線は見えないから不安です」
と話していた。
また、荒川遊園近くで調査していると、地域の住民が声をかけてきた。
「ここは、子どもたちの遊び場ですから、心配ですよね」
この場の空間線量(6月13日午後6時19分現在、地上から1メートル)は、0.12μSv/hだった。
「数字のことはよくわからないが、少なければ少ない方がいいわけでしょ?ホント、どうなってしまうんだろう」
と、数値をみせても不安な表情だった。
放射線は見えないし、臭いもない。
また、影響についても、未知の世界であるだけに、不安は拭えないのだろう。
また、東綾瀬付近で調査していると、外国人が話しかけて来た。
ガイガーカウンターで放射線量を調べていることがわかると、彼自身が持っているガイガーカウンターを取り出した。
同じ場所を測ったが、私のほうが数値が低く出た。
日刊ゲンダイ(6月17日)で記事になった後、編集部には問い合わせが多かった、という。
「AERA」(朝日新聞出版)でも、首都圏の放射線量を掲載した号は売れ行きがよかった、という。
それだけ、関心が強いことを示している。
日刊ゲンダイ編集部には
「心配なので、自分の家も測ってほしい」「学校の校庭が芝生になっている。ぜひ、調査してほしい」
といった声が届いているという。
こうした心配が理解出来るのは、ガイガーカウンターを持って歩いていると、少しポイントがずれるだけでも相当変化することがわかるからだ。(続く)
《NewsCafeコラム》
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