幼少の頃に通っていたピアノ教室の発表会で初めて弾いた曲はベートーベンの「エリーゼのために」でした。誰でも知っているあの美しい曲。当時、練習しながらエリーゼって誰だろう?とよく考えたものです。調べてみると、エリーゼではなく"テレーゼ"という女性に書き下ろした楽曲ということが明らかに。知らなくてもいいけれど知っていると面白い「小さいナゼ調査」…パスタの歴史、イモリとヤモリの違いに続き、今回はエリーゼとベートーベンの関係性についてちょっとだけ調べてみました。クラシック音楽通の方はもう既にご存知かもしれませんが、お付き合い下さいませ。
まず前述した通り、エリーゼではなくテレーゼに向けての楽曲だった、ということですが、これはタイトルに書かれたベートーベンの字が余りに乱雑だった為に間違いを生み出したようです。ベートーベンの字の汚さは専門家の間では有名な話で、楽譜も読み辛く写譜屋が勘違いをしてしまったまま今も間違った表現で演奏される曲もあるとか。
"テレーゼ"についてですが、この女性は貴族の娘で本名はテレーゼ・マルファッティ。非常に美しく、ベートーベンの主治医の姪であったため知り合ったそうですが当時テレーゼは若干18歳。ベートーベンは40歳でした。ベートーベンというと孤高の作曲家というイメージが強いですが、若くて美しい女性には目が無い"普通の男性"の部分もあったとか。好みの女性とすれ違うと立ち止まって見とれることもしばしば…なので彼が付き合った女性は皆、美女だったそうです。
話は戻ってテレーゼは貴族ですが、ベートーベンは一般人だった為、結婚を断られてしまいます。他にも原因があったかは定かではありませんが、とにかくベートーベンは失恋してしまい、ひどく落ち込みます。その後、手紙と「エリーゼのために」を個人的に彼女に贈るのです。明るく愛らしいメロディラインは共に楽しい時間を過ごしている様子、激しいメロディラインは辛さ、悲しさを表しているそうです。
今後、街中で耳にすることがあったらこちらのエピソード、思い出してみてくださいね。これからも小さいナゼを不定期に調べて参ります。
《NewsCafe》
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