死者が9000人を超えた東日本大震災。巨大地震の被害は東北から関東・東海まで幅広い地域に渡っている。中でもあまり報道されていないのが茨城県、千葉県などの関東の被害だ。今回は、茨城県水戸市を渋井哲也氏が取材した。
■茨城県水戸市(3月16日)
――水戸市では、ガソリンスタンドへの長い行列ができている。建物が崩壊していたり、ファミリーレストランの窓ガラスが割れているところも。茨城県庁では夜も明かりを消している一方、災害対策本部は昼夜を問わず仕事をしている。そんな中、水戸市内の避難所、三の丸小学校で被災者に話を聞いた。
●加賀勝さん(42)
東京出身。水戸市内在住。那珂川の河原でラジオを聴いている時に被災。
「那珂川(なかがわ)の河原で車を止めてラジオを聴いていたんだ。NHKの国会中継。地震かなと思って出たら、河原で地割れが始まったんだ。やばいと思ったよ」
――地割れですか
「やばいなあと思って。当分様子見て、原発が爆発するなんて思ってなかったから、東京まで避難しようかなと思っている」
●古川美智子さん(28)
北茨城市在住。就職活動で水戸市へ。面接が終わった後に被災。
「高萩に住んでいます。高萩の人はすごく大変ですけど、私たちは避難所では快適に過ごせているので、みんなで一緒に力を合わせてがんばります」
●佐藤大貴さん(18)(写真)
茨城大学の入試の前日だった。バスの中で被災。実家は津波の被害があった石巻市。
「宮城県石巻から来ました。震源から近いこともあって心配なので、早く帰りたいです」
――親御さんとはご連絡は取れている?
「はい」
――じゃあ無事に過ごされている?
「そうです」
――電話はもうつながりますか?
「昨日(15日)電話がつながりました」
――茨城には完全にひとりで?
「はい。茨大の入試でこっちに来ました」
このたび東北地方太平洋沖地震に関して、被害を受けられましたみなさまに心よりお見舞い申し上げます。また、震災によって亡くなられた方のご冥福をお祈りすると共に、一日も早く被災された方々が救出されることをお祈り申し上げます。
取材協力:茨城県災害対策本部・水戸市三の丸小学校避難所
撮影:渋井哲也(フリーライター)
撮影:渡部真(フリー編集者)
《NewsCafeコラム》
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