2010年のユーキャン新語・流行語大賞に、NHKが取り上げた「無縁社会」(受賞者:NHK「無縁社会」制作チーム)が入りました。
受賞理由は、
「孤独死は30代など若い世代にまで広がり、親と子のあいだで「児童虐待」はさらに深刻化している。この社会は「血縁」や「地縁」といった絆を失ってしまったのか」
などでした。
これは「生きづらさ」を感じる若者たちの出現と同じ背景ではないかと感じます。
「絆を失ってしまった」背景の一つに、単身世帯の増加が指摘されています。
1985年の単身世帯数を基準にすると、05年の男女別・年齢階層別の単身世帯数の倍率を見ると、男性では50代以上、女性では80歳以上で3倍以上となっています。
背景には「未婚」や「離別」の増加があるのです。
特に「未婚」について考えてみましょう。
まずは、平均初婚年齢の上昇が指摘できます。
1950年には男性が25.9歳、女性が23歳でした。しかし80年になると、男性27.8歳、女性25.2歳、2000年には男性28.8歳、女性27歳、08年には男性30.2歳、女性28.5歳です。男女とも50年で5歳前後、上昇しました。
一方で、生涯未婚率(50歳の時点で一度も結婚していない人の率)も増えています。
男性の場合、1950年には1.46%でした。80年には約2倍の2.6%。2000年には、12.57%と急増し、05年には15.96%と約6.5人に1人で、50年で10倍以上も増えました。
女性の場合も増加傾向で、50年には1.35%でしたが、80年には4.45%と、この時点で男性を上回っていました。
その後は男性よりも増加せず、00年には5.82%、05年には7.25%で、約13人に1人です。
男女ともに結婚しない人が増え、特に男性が上昇しています。女性の倍です。
では男女ともに結婚したいのでしょうか。
「出生動向基本調査独身者調査」によると、18~34歳の未婚者のうち、「いずれ結婚するつもり」は、男性は82年の95.9%よりは下がっているものの、05年で87%と高い比率を占めています。
女性も82年の94.2%から下がっていますが、05年には90%となっています。
「結婚したい」未婚の男女は多いのです。
では、なぜ、結婚しないのでしょうか?
一つの理由に、恋愛結婚の増加があります。
1935年は見合い結婚が69%でしたが、徐々に減少していきます。反対に、恋愛結婚は13.4%でしたが、増加していきます。
1970年にはそれらが逆転。恋愛結婚が48.7%、見合い結婚は44.9%。
2005年には恋愛結婚が87.2%、見合い結婚は6.4%とほとんどなくなります。
恋愛ができるかどうかで結婚が決まるのです。(続く)
《NewsCafeコラム》
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